カタツムリ飼育日記(4月分)

    カタツムリ(ウスカワマイマイ)飼ってみました。
    だいたい一月ほど飼ってみた現時点で、わかったこととわからないことをまとめます。
    4月はじめの雨の日に捕まえました。

    以降、カタツムリの排泄画像とか交尾画像が掲載されます。
    さらに素人の撮影なので、汚いです。
    苦手な方は、ご遠慮ください。
    小さい画像はクリックで拡大します。





    雨の日、地価の高そうな都会の植え込みで、カタツムリが7,8匹ほどはいまわっているのを見つけた。たまたま持っていた、ボンタンアメの箱に三匹捕獲。ペットとして飼うことに。ボンタンアメの箱からだそうとしたら、箱の紙を食べていた。
    ここに長期捕獲していたら、逃げられたに違いない。
    ちなみにウスカワマイマイ(薄皮蝸牛)という種らしい。殻がうすいのでそういう名前だ。

    とりあえずα、β、γと名付けた。殻の模様(正確には外套膜の模様)で見分けることにする。

    カタツムリは薄暗いところが好き

    カタツムリを飼い始めて、
    「物陰に隠れるのが好きな臆病な生き物だな、と思った。
    飼育瓶のふたの裏や、レタスの葉陰に隠れることが多いので観察しにくい。
    アマガエルも葉陰に隠れるし、亀も浮島の陰に隠れているので、生き物としては正常なのかもしれない。
    人の子もかくれんぼ大好きだしな。

    カタツムリは明るく平らな広い場所に置くと、上に逃げようとして慌てて仲間の上に上る。
    葉陰を目指しているのだろうか。
    これは交尾や順位とは関係のない行動と思われる。

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    新しい飼育箱で落ち着かずに他のカタツムリに乗ったりしていたので、飼育箱の透明なふたの上にプラスチックの葉っぱ一枚のせたら、落ち着いた。

    それからは自分が観察しないときは、カタツムリの箱に手ぬぐいをかぶせることにした。



    カタツムリの口

    カタツムリの口は普段は体内にしまわれていて、ものを食べる時に出てくる。
    血が赤くないのに、口が赤いのはどうしてなのだろうか。薄茶色の殻と同じ成分でできているのか?
    カタツムリの歯は、歯舌と言って、歯と舌が一体化したやすりのようなもの。定期的に新しい歯が生えてくるらしい。
    かなり堅いものもかじれる。

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    にんじんをかじった跡。

    手乗りを期待して、ゆびを差し出したら、カタツムリにシャムシャムとかじられた。
    相手が小さいから、くすぐったい程度だが、あごと歯舌がかなりかたいことがわかった。
    しかし、貝に食われるとは思わなかったな。指の角質程度だけど。
    カタツムリは雑食なので、肉も食べる。
    次の機会に指をさしだしたら、よけられた。カタツムリには記憶力があるので、飼育瓶の掃除の際に割り箸でつまんだとかの、いやな思い出とともに記憶されたのかも。
    穏便に瓶から取り出す方法は、乗っている野菜ごと取り出して、新しい野菜に乗り移ったところを洗った瓶に戻すとかかな。
    ぬれた割り箸を差し出して、そっちに乗ってもらうとかいう方法がネットではあったが、割り箸から下ろす場合はどうしよう。


    カタツムリにとって人間の体温は「熱い」と感じる高さらしいので、つまんで手のひらにのせるとせかせかと動き回る。
    人間側としてはカタツムリの体温はひんやり。すぐ触れているところが、ぬるくなるけど。
    さらに次の機会に指を指しだしたら、乗ろうとした後、熱いからか、やめて向きを変えた。

    実際に触ってみると、カタツムリの体は想像以上にやわらかい。
    わらびもちをのせたような触感?

    ※カタツムリを触った後はよく手を洗いましょう。
    広東住血線虫
    http://www.pref.aichi.jp/eiseiken/5f/kanton.html
    広東住血線虫は危険か?
    http://d.hatena.ne.jp/naturalist2008/20090807/1249610122


    カタツムリの呼吸口と肛門

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    ウスカワマイマイの一休み姿。殻の内側に見える丸い穴は、呼吸口で、この穴の壁に肛門がある。呼吸口は、たまに閉じたり開いたりしていることがある。

    人間だとものを食べる口が呼吸口をかねるけど、カタツムリだと呼吸口は肛門をかねているのか。

    この写真では肛門の方は閉じていてよく見えない。解剖図ではピンとこなかったけど、カタツムリの呼吸口や肛門ってこんなところにあるんだね。
    開いた呼吸口は中をのぞきこむことができ、殻が光を通すウスカワマイマイの場合は、内側から外套膜を見ることができる。小さな肛門らしきものも確認できる。カタツムリの肛門にしわはない。

    この穴からカタツムリの糞が出てくる写真はこちら。クリックで拡大↓

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    プロによる鮮明かつ、続きもある写真はこちら
    2009年 06月 30日
    カタツムリのクネクネ糞
    http://ikkaku24.exblog.jp/10529755/


    糞を体の前の方で丸めているが、カタツムリの口に近い部分って、やはり手みたいなものなのか?
    糞を丸めて貼り付けることに、何か利益があるのだろうか。マーキングとか、自分の居場所を清潔に保つとか。
    カタツムリ 日高敏隆では、自分に糞がつかないためと、腸が曲がっているので排泄する力が弱く、それを補うために腹足で引き出しているのの、二説が紹介されていた。


    カタツムリの生殖口

    カタツムリの恋の季節は、地方や種にもよるだろうが、初夏とされている。

    しかし、一足早くうちのカタツムリが発情期に入った。室内で環境が整っているからか?
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    ウスカワマイマイの首筋のあたりが、白く膨らんでいる。これが生殖孔。さらに発情すると、真ん中に小さな穴が開く。
    他のカタツムリだと性フェロモンをばらまく器官として、頭瘤(とうりゅう)というものが発達するらしい。だが、ウスカワマイマイはここだけが膨らむ。
    ウスカワマイマイは、春から冬の前まで交尾しますが、6~8月ごろがいちばん多いようです。
    カタツムリ 日高敏隆
    この本は、交尾中のウスカワマイマイを引き離して、生殖器の写真を撮っている。
    穴をくっつけたあとで、穴の中に収納されていた棒が、相手の穴に突き入る方式なので、私はそれを見たことがない。引き離す勇気はまだない。

    私が飼育しているウスカワマイマイの交尾を最初に目撃したのは、4月14日。交尾時間は6時間。室温は25.9で湿度は70パーセント。
    ふと気がついたら、αとγが交尾していた。昼間からγがαを狙っているようだった。妙に近くにいたりしていた。
    通常カタツムリはお互いに少し距離をとってえさを食べる。だから、発情期によりそっていたら、カップル成立の前兆だな。
    慌てているときや通るときは上に乗るが、交尾を狙うときは横に並ぶ。
    クリックで拡大↓
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    カタツムリの交尾は、じっとくっついているだけでほぼ動かない。動画も撮ったが、静止画とかわらない。
    動きがあるのは交尾前の求愛の場面。相手の体をひげ(小触覚)でかぎ回ったり、なめるような仕草をしつつ上体をうにうにとすり寄せる。これが見られたのは次回以降。
    カタツムリ 日高敏隆では、この求愛の場面を4枚の写真で紹介していた。

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    少したつと、目を引っ込めてくっついていた。人間だと「目を閉じて抱かれる」という表現になるか。

    かなりたってから、αが首をふっていたり、口をぱくぱくさせていた。交尾の終盤だったので「そろそろ離して」という仕草なのかと。でもそんな仕草をしつつ1時間以上くっついていた。
    離れようとすれば、離れることができるような気がするのだが、気分の表現なんだろうか。


    二回目の目撃は4月20日。交尾時間は3時間50分。室温は27.1、湿度は57パーセント。
    前回と同じく、α×γと思われる。

    いちゃいちゃしていたので、これは交尾の前兆かと思った。交尾の前に飼育瓶を洗ってやろうとして、トレーに出したら、そこで交尾した。
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    終わった後、γがレタスを食べ始めた。それに身をすり寄せて、もう一回しようとしたαが、γにかみつかれたようにみえた。αは首をひっこめて、引き下がり、そのあと、離れた場所で大根をかじっていた。

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    ↑交尾が終わって並んでいる場面

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    ↑身をすり寄せるα

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    ↑レタスを食べるγと、拒まれて去っていくα


    交尾時間が他の回に比べて短いから、αは不満だったのだろうか。交尾時間って、カタツムリの場合なんで決まるんだろう。
    つながっていた箇所がぬれている。解剖図を見たらカタツムリの膣の奥の方に「粘液腺」という器官があった。

    交尾した後のカタツムリの生殖口が目立たなくなっているのに、交尾できていないカタツムリの生殖口は膨らんだままなのは、切ない光景ではある。カタツムリもすっきりするんだーみたいにうけとっていいのか、これ。

    三回目の目撃は4月25日。6時間15分。 γ×β。開始時の温度は27.2 湿度は59%。 最初γはαを追いかけて、逃げられていたようだ。交尾が終わった後、αがγにせまったようなのだが、頭でつつかれて首をひっこめていた。これはもしかして、かまれた?

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    ↑レタスにつかまりながらの交尾。だんだんさがっていく。
    今回は新しい飼育ケースに変えたとたん交尾した。やはり環境を整えないと、繁殖しないのだな。これで三匹すべてが産卵する可能性が。

    次の日、αがβに執拗に迫っていたが、βは殻を左右に振って激しく抵抗。殻が近くのアサリの殻にぶつかってがりがり音がしていた。βは逃げてものかげで、目だけ出した状態で殻に引きこもり。αはあきらめてレタスを食べてた。

    さらに次の日にαが活発に這い回っていたのは、βとγ以外の相手がいないか探していたのだろう。しかし箱の中なので、新たな出会いはない。可哀想ではある。

    殻が武器になるとは意外。かみついたのかな? と思う仕草はたまに見るが、カタツムリがかじっているかどうかは、跡が残らなければわからない。

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    カタツムリは、他のカタツムリが交尾しているのを、興味を持って見る。↑

    その次の日、つまり4月28日に4回目の目撃。不在時に、αとγが交尾をはじめていた。開始時刻は不明。交尾時間は少なくとも3時間以上。βの姿が見えないが、この植木鉢に潜っている。
    IMG_41131.jpg
    αもγも交尾中に緑色の糞をしていた。αがむにゅっとおさえつけているように見える。

    発情期のカタツムリって、雌雄同体だし、ほのぼの乱交するのかと思っていた。実際は逃げられたり、暴れられることも多いんだね。雄のように迫り、雌のように拒絶する。

    最初、α×β、α×γ、β×γの三通りの組み合わせが成立すると予想していたんだよな。その方が様々な子孫が残せる。

    体が大きいと産卵数が多そうなので、最初にγが小柄なβよりもαを誘ったのはわかる。
    しかし論文によると体の大きい個体が交尾で有利だと予想したものの、そうではなかったらしい。

    ウスカワマイマイの交尾頻度と配偶様式
    http://ci.nii.ac.jp/naid/110004764977

    体の大きさが問題でないとするのなら、交尾に積極的かどうかは性格なのか、それとも体臭で選ばれているのか。
    だいたいβは誘われないだけでなく、受け入れないしな。相手の精子を保存できるから、すでに交尾した相手をお断りするのはわかるが、初めての相手なら受け入れた方が様々な子孫を残せそうだが。
    毎日何時間も交尾するのは、リスクもコストも高いからだろうか。
    もっとも、24時間体制で観察していないので、交尾場面を見損なっているだけかもしれない。
    カタツムリの交尾の研究をなさっている学者さん達って、監視カメラや三交代制とか使って、観察しておられるのだろうか。

    βが食事の時以外、土に潜っている生活のままだと、βはγの子どもだけを産むということにならないか?
    カタツムリの交尾に関する新説では、この「交尾した相手に自分の子を多く生ませる」ことこそが、恋矢の役割だという。単にタイミングの問題なのかもしれないが、現状はγが勝者でαが正妻、βは貞淑な愛人というポジションになるのか。
    単純に交尾回数が多ければ、その相手の子どもがたくさん生まれるというわけではないだろうが、無関係とも思えない。

    まず、横はばが30cmの飼育ケースなら、大きなカタツムリは2~3びきしか飼えません。数が多いと、なかまのなかで優劣関係ができ、弱いものはえさもたべずに、ずっとねむったままで死んでしまいます。
    カタツムリ観察事典 (自然の観察事典)より

    小さなウスカワマイマイだから、15cmのケースでよかろうと思ったが、βの「ほっといてください」という態度が気になる。

    わからないこと、観察し損ねていること。

    カタツムリの交尾相手選びの基準は何?

    人間だって「これ」というのは難しいからな……。カタツムリ 日高敏隆だと「気の合った二匹は」という表現だった。


    産卵はいつ?

    交尾後すぐに産卵するわけでないらしい。二週間後とか。
    土は用意したが、以前ハーブを育ていた植木鉢の土だ。本を読むと川砂とか書いてある。


    恋矢はあるの?

    あるらしいが、飼育瓶の掃除の際に見つけられていない。小指の爪をちょっときったようなものだから、気づかず古いえさと一緒に捨ててしまうかも。

    たぶんこの飼育日記は5月号に続く……。

    参考図書


    カタツムリ 偕成社 著者 七尾 純・小田英智・七尾企画 1975年6月
    生きたカタツムリを殻ごと真っ二つに切った断面カラー写真が、解剖図にそえられている。

    カタツムリ観察事典 偕成社 小田英智 久保秀一 1997年 6月
    やや高学年向け。科学的な内容。ミスジマイマイがメイン。
    同じ会社から先に出版された本と著者がかぶるので、内容もややかぶっている。

    カタツムリ観察ブック 2009年6月 
    上の判型を小さくした普及版。



    カタツムリ あかね書房 増田戻樹 小池康之 1977年8月 初版 

    カタツムリ あかね書房 増田戻樹 小池康之 1977年8月 初版 2005年4月 新装版 第一刷
    低学年向け。写真に詩情がある。ミスジマイマイとヒダリマキマイマイが主かな。交尾写真はヒダリマキマイマイのもの。



    カタツムリ 写真 草野慎二・栗林 慧 総合監修 日高敏隆 2008年1月25日 発行元 株式会社アスク 発売元 株式会社リブリオ出版
    ウスカワマイマイ中心。実験も含めて科学的な要素が強い。


    近所の図書館で、6冊借りたが、事実上、3種類という感じ。

    絵本的な良さでは、「カタツムリ」あかね書房が一番だな。
    カタツムリの四季を追う感じで、美しい。木の枝の上で、カタツムリが抱接中のカエルに出会う写真とかね。

    科学的な実験要素が強いのはリブリオ出版のもの。カタツムリが少年期の美しい野山の思い出から、室内で簡単に実験できる生き物へと時代が変わったのか。

    当然のことながら、自分の身近にいるカタツムリがメインの本を読むのがおすすめ。
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