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    『星のカービィ』のダークマターとデデデの関係考察

    ダークマター(剣士)の服の前の方の柄は、デデデ大王の腹巻きと同じ柄である。
    偶然とか、ポップスターではあの柄が伝統の文様とかそういうことではないだろう。
    おそらくダークマター(球形)の精神がデデデの精神と接触した結果、ダークマター(球形)の側から生まれたのがダークマター(剣士)なのだ。ダークマターにデデデ要素が入っている。
    逆にデデデの精神の側から生まれたのが、ブラックデデデ。デデデにダークマター一族の要素が入っている。
    ダークマター(球形)の状態だと思考や感情が、デデデとかけ離れているため、デデデの心身とコミュニケーションしやすくするため人の姿や言動をとったのだろう。
    単純化するなら、「普通の日本人にフランス語で脅したり命令しても、相手が命令を理解できないので、相手にあわせて片言の日本語で話してみた」みたいな。

    もちろんダークマターが最初に現れるときには、不気味な巨大な黒い物体として現れ、デデデを混乱と恐怖に陥れ、そのスキに乗っ取るというのも、ありだろう。

    またデデデの体を操るためには、ダークマター側だって「自分は2本の手があり、2本の足のある生き物」だと思わないといけない。

    神が人の姿で現れる現象に近い。
    ギリシア神話にこんな話がある。人間の女性であるセメレは、ゼウスの愛人だったが、あるとき「本来の姿をお見せください」と望んだ。ゼウスは断ったが、女性はなおも望んだ。そしてゼウスは雷神の正体で現れ、その熱によってセメレは焼殺されてしまった。

    また、『ソラリス』という映画にもなった有名なSF小説がある。
    巨大な不定形の海がひとつの生き物である星が見つかり、地球人が訪れる。その宇宙生命体が訪れた地球人の心理学者の記憶を元に、自殺した恋人にそっくりな何かを作り上げる。
    海としては地球人と何らかのコミュニケーションをとろうとしたのだろが、地球人にとっては「辛い過去を思い出させられる」以外の何物でもなかったという話だ。

    憑依の医学的病名である、解離性障害は若い女性に多いと言われていて、その原因は不明。
    乱暴にいうなら「霊感少女」は多くても「霊感少年」は少ないって話かな。
    男性の解離性障害は精神科ではなく、警察のお世話になっている説というのが有力視されている。
    霊感男性のアニメ版デデデも何かが憑いた結果、患者というよりは、犯罪者扱いされてしまう。現実は厳しいな。

    卑弥呼の昔から憑依現象は「男の霊が人間の女性にとりつき、人間の男性によってその霊の言葉が解釈される」のが典型的なパターンだ。
    日本神話の「神功皇后」の話は、巫女である王の妻が神にとりつかれ、その神が偽りの神でないかと疑った審神者である王が、神に殺されるという話だ。

    しかし、『星のカービィ2』の世界には女性らしい女性がいなかった。
    だから、『星のカービィ2』では神(ダークマター)と霊媒(デデデ)と審神者(カービィ)の三者がいて、審神者がこの霊媒についた神は邪神であるとみなし、お祓いをする展開に。
    霊媒が丸っこいペンギンだか、太った中年男とか斬新だな。いや、後者は宗教的指導者のカテゴリになら普通にいそう。「わしは神の声を聞いたぞい!」みたいな。
    アニメ版『星のカービィ』の第62話「たかが占いされど占い」は女性の霊媒を立てて、「神のお告げぞい」とデデデが審神者である王を演じる回。
    ちなみに現在の我が国は主神が天照大神という女神で、それに仕える宗教的指導者が男性という国だ。

    『星のカービィ64』では「リップルスターの女王様」がいた。女性の霊媒に男性と思われる憑神という点で、こちらの方が伝統的ではあるな。この作品におけるデデデの立場は「かつて邪霊に憑かれた経験を持ち、邪霊を祓う能力を身につけたお祓い師」なのだろうか。
    もっとも、ワドルディの憑依体験が、一番の謎かもしれない。ワドルディの年齢とか性別とかがそもそも謎だから。

    精神医学書に記された「憑依」で書いたように、

    「若い女性が悪人にさらわれた」→「貞操が危ない」
    「若い女性が悪霊に取り憑かれた」→「精神の貞操が危ない」

    なので、ダークマター一族にとりつかれた女性達があぶないな。カービィ達が間に合ったことを祈るよ。

    話をもどそう。


    デデデの暗黒面と融合したものとしての、ダークマターとは何か?

    1.抑圧された何か説
     「俺様は欲望のままに生きたい! でもそれはダメなんだろうな」
    善と悪とか、理性と欲望とか、意識と無意識とか、心と体とか、自我とリビドーとか、普段押さえつけられている何かが、あるきっかけであふれ出すとか、そういう古典的な世界。人間の精神に置き換えるなら、ダークマター(球形)が無意識で、デデデが自我の部分ということになるだろう。ダークマター(剣士)はあえていうなら、デデデの夢。
    フロイトの説。

    2.シャドウ説
     「俺様は自分が弱虫の負け犬だなんて認めない。俺様は強気で生きたい」
    こうあるべき自己像に入りきらない自分にとっての自分の欠点が、影として現れるという説。影が必ずしも「悪」とは限らない。本人がそういう自分の一面を「好きか嫌いか」「許すか許さないか」「偽物と思うか本物と思うか」の問題である。
    ユングの説。

    3.解離された何か説
     「殺されると思ったので、気がついたら相手をボコボコに」
    恐怖や不安などの人生の辛い側面から、闇の側の人格が生まれる。「平時は人が良い印象を受けるが、追い詰められると攻撃的な人格に豹変する」の極端な形。ダークマター(剣士)は「もうひとつの人格」ということになる。
    ジャネの説。

    アニメ版『星のカービィ』(2001年放映開始)のデデデには、「もうひとつの人格」と呼べるほどのものがないが、壊れる仕組みとして想定されているのはおそらく解離なんだろう。
    参照 アニメ『星のカービィ』のデデデのトラウマについての考察 (前編)

    ではゲーム版は?

    これは『星のカービィ2』の発売時期が1995年だということを、考えねばならない。
    世間的にはようやく「二重人格」が「多重人格」になったころだろう。
    『聖闘士星矢』(発表期間 1986年~1990年)のサガから、『幽☆遊☆白書』(発表期間 1990年~1994年 )の仙水になったころ、といえばわかる人もいるだろうか。
    サガは善と悪の二重人格という、古典的な存在である。

    自己と分離された者としての、影との戦いという物語としては『ゲド戦記 影との戦い』(原語版1968年、日本語版1976年)や『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』(1980年)が現代の古典だろう。
    ゲームで「分離された人格が自分を襲う」ものとしてのシャドウを扱ったもので古いのは、ディスクシステム「リンクの冒険」(1987年)のブラックリンク(ダークリンク)だろう。
    任天堂はブラックリンクが何者かは詳しく話していない。
    学説の寿命が、ゲームのタイトルの寿命より短い可能性もあるので、それでいいのかも。後に『女神異聞録ペルソナ』(1996年)が、シャドウとの戦いと和解を物語のメインにすえる。

    この時代はまだ「児童虐待」の再発見と、心的外傷と解離との関連の認識も一般的ではない。「凍りついた瞳(め)―子ども虐待ドキュメンタリー」(1994年連載開始)が単行本として刊行されるのは、1996年。
    1997年連載開始の『デビルマンレディー』には「義父に性的虐待されて悪魔憑き」という女性が登場するが、マンガでは新しかった。

    ゲームもマンガも時代の子だから、間接的にその時の精神医学の流行の影響を受ける。
    「最新学説」→「ノンフィクション」→「小説」→「映画」→「マンガ」→「ゲーム」みたいな流れと思われる。
    ゲームで元がユングの学説(河合隼雄)だと断定できるペルソナシリーズは、やはりレアだろう。

    ゲーム版デデデに取り憑かれていた時の記憶がないのなら、現象としては解離なんだろう。
    だが、ゲーム版も「もうひとつの人格」がどういう人格なのかはっきりしない。
    それに、何かデデデにとって辛い出来事があって、憑依現象が起きているわけじゃない。
    下村デデデは、腹に目や口が開く見た目からするに「恐怖や欲望という本能が理性を圧する」という状態で、古典的な「抑圧説」だろう。

    ブラックデデデについては、「シャドウ説」や「解離説」だろうが、ここでは詳しく突っ込まない。
    これまでのデデデの物語が全部つながっているとしたら、トリデラの時点でデデデは十分に「過酷な過去を持つ人物」だろう。たとえ最中は楽しかったり、仲間とのいい思い出であっても、戦いは強いストレスだ。負ければなおのこと。

    しかし憑依体質なのに、ほぼ物理攻撃しかかまさないデデデの主人格は「魔術的なもの」や「霊的なもの」と和解できない人格なんだろうか。カービィは、コピー能力やヘルパーを操る魔術師なのにね。
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