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    山口伸明さん脚本回のデデデとエスカルゴンの関係の考察

    アニメ版『星のカービィ』で、山口伸明さんが担当した回は以下の11話。

    第11話 宮廷シェフ・カワサキ
    第16話 私を愛したサカナ
    第24話 ニンジャ、ベニカゲ参上!
    第27話 恋に落ちたウィスピーウッズ
    第35話 栄光のプププグランプリ 前編
    第36話 栄光のプププ・グランプリ 後編
    第44話 ウィスピーウッズの友アコル
    第48話 プププランド観光ツアー
    第56話 わがままペットスカーフィ
    第60話 宝剣ギャラクシア!
    第69話 ウィスピーの森のエコツアー

    第24話 ニンジャ、ベニカゲ参上! や、第35話 栄光のプププグランプリ、第60話 宝剣ギャラクシア! など男の子の夢を追求する系統の話もあるが、主にウィスピーの森関連の話を担当した脚本家である。

    台詞は平明で、暴力や侮辱の場面も後味が悪くならないように、配慮されている。
    第11話では、デデデに放り投げられたエスカルゴンが、デデデの上に落ちてくる。また、エスカルゴンが中華鍋で襲われたが、胡椒で反撃。
    第56話では、エスカルゴンがペットの残り物を押しつけられるが、「なんだ おいしいじゃないでげすか」と笑う。あと、「全て秘書のせいぞい」とデデデが、エスカルゴンに責任を押しつけるが、フーム達は「ごまかさないでよ!」とデデデの責任を追及。

    アニメ版「星のカービィ」に黒さを求める人には、あまり好まれないかもしれない。でも健全でかわいい。

    この人のデデデとエスカルゴンは喧嘩もするけど、仲良く悪巧みする関係。一緒に忍者ごっこしたりもしている。
    また、デデデは悪戯好きで、エスカルゴンは臆病。
    給料の話もよく出る。デデデがボーナスとか言い出したのは、山口さんの回が最初ではなかろうか。男同士の友情といって、一番違和感がないのはこのコンビかな。第69話で愛し合ってる発言して、流れを変えたのもこのコンビだけど。
    ただし、おそらく100話中唯一エスカルゴンを故意に殺そうとしたデデデは、第11話「宮廷シェフ・カワサキ」の回でエスカルゴンを、客人に出す料理の食材にしようとした山口デデデ。三国史かよ。
    山口エスカルゴンは知的な発明家。スパイホッパー(監視カメラ付きメカバッタ)は山口エスカルゴンの発明のはず。第16話 「私を愛したサカナ」の潜水艇もそう。
    明言はされていないが、第69話「ウィスピーの森のエコツアー」で、ワドルドゥ隊長が乗っていた一人乗りヘリコプターもそうだろう。

    山口エスカルゴンは料理されかかって正当防衛した時以外、デデデを殴ろうとか、恨みを晴らそうとかはしていないようだ。臆病なせいか、第44話 「ウィスピーウッズの友アコル」の回で「私はにげるでげす」と言って、一足先に逃げちゃったぐらいしか裏切り行為がない。
    あと、山口エスカルゴンは第69話の「悪運強いお方」とか、デデデを立てる。
    吉川エスカルゴンがデデデを立てる時って、第99話の「王者を監禁はひどいでげすよ」とか、第三者に対して立てているのであって、二人の時はあまりほめない。

    「わがままペットスカーフィ」の時は、デデデがハンマーでスカーフィを追い払い、エスカルゴンは「陛下 がんばって」と後ろに隠れていたが、デデデがハンマーごとカービィに吸い込まれそうになると、必死でデデデを引っ張っていた。


    第69話 「ウィスピーの森のエコツアー」 について

    この話がこのアニメシリーズにおける、山口伸明さんの最後の担当回になる。
    最後だから、全力を尽くしました感がある。しかし、なぜこっちの方向にベストを尽くしたのか。

    では、吊り橋の場面から、ウィスピーの前に出るまでの場面を軽く解説しよう。
    デデデがエスカルゴンを脅かそうとしたことが原因で、二人は川に落ちた。そしてエスカルゴンは、重いデデデを岸辺に引きずりあげる。
    遭難が確実になった後、「わしはもっと生きたいぞい」とデデデは目に涙を浮かべ、エスカルゴンの腕にすがるようにしていう。エスカルゴンは「私だって」と答え、そのまま二人で手を握り合って、「愛してたぞい」「愛してるでげすー」といいつつ泣く。デデデの方が感情的ですぐ悲観するので、過去形なのだろう。
    その後のろしをあげようとして山火事になり、デデデは「この責任はエスカルゴン きさまぞい」と責任を押しつけて殴る。その後もぽかぽかと殴り、さらにはハンマーで殴ろうとするがエスカルゴンに逃げられる。でも逃げられて一人になるのは嫌なので、デデデはエスカルゴンの腕を両腕でつかみ無理矢理引き留めようとする。怒ったエスカルゴンが思いっきり腕をひっぱって振り払おうとすると、いきおいあまってデデデがエスカルゴンの背中の上にどぉんと乗る姿勢になる。迷惑そうな表情のまま、エスカルゴンが上を見ると、燃えた木が倒れてくる所だったので、火事場の馬鹿力でデデデの両腕の付け根あたりをつかみ、背負いながら必死で炎から逃げる。

    山口回ではデデデがエスカルゴンを背負っていたりもするし、普段はほのぼのした関係。
    しかし、この話ではエスカルゴンが一方的にデデデを助けている。
    吉川惣司脚本回のエスカルゴンの「気に入られたいが、デデデの役には立たず、気分で殴られる」と、この話の「気に入られているし、デデデの役に立っているが、気分で殴られる」のどっちが切ないだろうか。

    この第69話のデデデとエスカルゴンが森で遭難する物語は、吉川脚本の第5話「怒れ! ウィスピーウッズ」の迷子になる二人の場面の延長線上にある。
    第5話では二人は、森で迷子になって、いったんは喧嘩別れしたが、「やっぱ一緒にいくぞい」と抱き合っていた。

    この第69話では、山口さんの他の回と趣が違い、デデデのエスカルゴンの扱いがややひどい。普段の山口デデデはエスカルゴンをあまり殴らないし、助けたりもする。だが、この第69話のデデデはエスカルゴンに愛していたといった直後に、責任を押しつけてなぐり、逃げられれば追いすがり、またそのすぐ後で手をとりあって助かったことを無邪気に喜ぶ。

    山口伸明さんは原則恋愛抜きのこのアニメシリーズの中で、異種間のラブストーリーをふたつほど書いている。
    それは第16話 「私を愛したサカナ」と、 第27話 「恋に落ちたウィスピーウッズ」 の二つ。
    第16話と第27話のテーマは、それぞれ「かなわない恋」と「報われない愛」という切ないものだ。

    第56話 「わがままペットスカーフィ」も、スカーフィの側から見れば、なついた主人に捨てられる片思い。ついでにエスカルゴンとデデデを取り合う三角関係。
    第60話 「宝剣ギャラクシア!」は異種族どころか「生きた剣」を取り合っての三角関係。シリカがメタナイトの剣に片思いして振られるが、献身的に振る舞う話。
    また、オチが夫婦愛の第35話、第36話の「栄光のプププグランプリ」もこの人。プププグランプリは、メタナイトがカービィを思って献身する話。前半はフームがカービィを心配する話だが、後半はメタナイト、デデデ、カービィの三角関係。
    山口脚本だと片思いしている側は、献身的だ。あんのうん脚本だと片思いしている側が、相手をハンマーで殴ろうとするのにな。あんのうん脚本の第55話、第79話、第88話はそんな感じ。

    この第69話も異種間の「報われない愛」の物語に仕上がっている。
    どれだけ親密になろうが、愛していようが、デデデの身勝手で暴力的な性格が根本から変わるわけじゃないからな。
    第55話 「ある愛のデデデ」(脚本 あんのうん)の冒頭のエスカルゴンは、報われない愛に生きている。やや後の回の第69話がそっちへ行っても、唐突じゃない。
    山口エスカルゴンは27話でウィスピーウッズの苦悩を、デデデと一緒に「恋は盲目でげすなあ」と笑っていた。しかし、10ヶ月後に自分の番がまわって来たのだった。


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    タグ : アニカビ

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