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    アニメ版『星のカービィ』は何のためにつくられたか

    こちらの企画に参加させていただきました。




    アニメ版『星のカービィ』は何のためにつくられたか

    結論を言えば、主に欧米の子ども達にカービィの名前を、知ってもらうためだ。数千円のゲームソフトは子ども達にとって、高価な買い物であり、気軽に買えるものではない。そこで無料で見られるTV番組としてカービィを流し、カービィに興味を持ってもらうという戦略がとられたのだ。

    テレビのおかげで
    意味無いけど健全な娯楽を!嘘だけど迅速なる報道を!!
    無駄だけど楽しいCMを!!!どれでもタダで楽しめるぞい!


    というのは当のアニメ版『星のカービィ』中の台詞だが、アニメ版はたしかにゲーム版カービィの楽しいCMだった。「意味ないけど健全な娯楽」だったかどうかは、見た人の判断に任せる。

     カービィの人気は急上昇し、日本のゲームのよく知られたアイコンとなりました。
     しかし、米国ではそうではありませんでした。そこで『星のカービィ』を宣伝するために異なった戦略を取ることに決め、アニメーションを通じて紹介し、大成功を収めました。

    United World社による谷村 正仁へのインタビュー記事の翻訳 Papen's Piling
    http://dougin-1809.hatenablog.jp/entry/2017/02/17/221721

    原文
    HAL Laboratory bets on unique attention to details and customers’ happiness to be at the forefront of the dynamic gaming industry
    http://www.theworldfolio.com/interviews/hal-laboratory-bets-on-unique-attention-to-details-and-customers-happiness-to-be-at-the-forefront-of-the-dynamic-gaming-industry/4306/


    ポケモンのアニメ版がアメリカでヒットし、ゲームのヒットにつながったので、日本で稼いでいて、余力のあった大手ゲームメーカーは、海外向けのアニメを作って、自社のゲームを宣伝しようとした。米国でしか放送されなかった日本のゲームが原作のアニメはいくつもある。例えば、スーパーマリオブラザーズやカプコンのヴァンパイアシリーズの日本語版の存在しないアニメがそれだ。『スーパーマリオブラザーズ』や『ストリートファイターII』『バイオハザード』の実写映画も、単なるブームで作られたわけではなかろう。宣伝による知名度の上昇、幅広く訴求できるブランドの確立が狙いでもあったのだ。

    アニメ版カービィはカービィとメタナイトが善で、デデデが悪だ。欧米の子ども達向けにわかりやすくしたからだろう。ちなみにヴァンパイアも原作のゲームではそんな線引きはなかったのに、海外アニメ版では「善と悪との戦い」にはっきりとわかれていて、ゲーム版だと個人的な理由で戦っていたキャラクター達が、善人は善人らしく、悪人は悪人らしく描かれていた。キャラクターがゆがめられたといえば、そうだろう。


    アニメ版カービィは日本のゲームのファンのためのグッズというよりは、欧米や日本で新たなファン層を開拓するための広告であった。カービィアニメ放映当時の大口スポンサーは、当然のことながら任天堂である。そして広告としての目的を果たし、海外でカービィを有名にした。日本でも知名度はあがっただろう。現在カービィグッズを買う層には一定数「最初にアニメでカービィを知った」人たちがいるのではないか。
    現在、日本ではアニメ版は「ファン向けのグッズ」としても売られていない。
    しかし、カービィのアニメ版のDVDは、英語版なら普通にAmazon本家で売っているようだ。

    Kirby: Right Back at Ya!: Vol. 1: Kirby Comes to Cappytown DVD
    https://www.amazon.com/Kirby-Right-Back-Comes-Cappytown/dp/B00006JU7G/ref=pd_sim_74_2?_encoding=UTF8&pd_rd_i=B00006JU7G&pd_rd_r=DRAJ68QZV2GYX08GQVRK&pd_rd_w=jqC8y&pd_rd_wg=aIyJH&psc=1&refRID=DRAJ68QZV2GYX08GQVRK



    誰がアニメ版カービィを作ったのか

    監修の桜井政博氏

    アニメカービィは桜井色が強いが、それは桜井氏が責任を持てる範囲で作ったということでもある。例えば、この時期に「暗黒物質とは何か」を桜井氏が決めるのがはたして正しかっただろうか。それだと次に出るはずだった、新たな下村カービィ作品の足かせになりそうだ。

    アニメ版カービィの監修を下村氏が単独で引き受けたら、下村色の強いアニメ版カービィができていただろう。
    しかしもしそうなれば、アニメ版のカービィやデデデやメタナイトの性格を決めるのは、下村氏の仕事になる。吉川惣司監督はアニメのベテランだ。下村氏が、桜井氏のように説明上手で強気な指揮官ではないクリエイターだったとしたら、「アニメとしてはこっちの方がいい」と説得されて結果的により吉川色の濃いアニメ版カービィができあがっていたんじゃないか。


    企画の谷村 正仁会長

    インタビューを読むとハル研究所側に「アニメ版カービィはこうしたい!」という強い意志というか、プランがあり、それにそう形でアニメ版は作られたようだ。アニメスタッフ側に任せきりにしたわけでも、暴走を許したわけでもない。計画通りの無茶をやった印象だ。

    アニメとゲームは分けて考えていますが、このアニメはゲームを踏まえながら進めてきましたのでゲームと重なっているところがとても多いんですよ。ですから、その重なっている部分を、もっといい形で強めあい、高めあっていきたいですね。

    N.O.M 2001年10月号 No.39 アニメ『星のカービィ』制作現場突撃レポート!! - 関係者が語るアニメ版カービィの魅力 加藤直次プロデューサー(CBC)、谷村正仁社長(ハル研究所)インタビュー
    https://www.nintendo.co.jp/nom/0110/miryoku/



    設定協力の皆様

     山本 洋一(ハル研究所)
     能登谷 哲也(ハル研究所)
     山本 正宣(ハル研究所)
     別府 裕介(任天堂)
     藤江 宏志(ハル研究所)

    上記の四人については以前も書いたので、新情報があった、当時新人だった藤江氏についてだけ記す。彼はハル研究所の子会社であるワープスターの人としてニンテンドードリーム2016年12月号に登場する。この号を読むにグッズ展開の重要人物らしい。

    藤江宏志さん
    ハル研究所入社時に始まったアニメ「星のカービィ」を担当し、ワープスターと兼任して監修を務めた。以降、グッズなどゲーム以外のカービィの監修やブランド管理に携わる。


    アニメとゲームは別物というのは開発者の方々もおっしゃってるのだが、重なるようにも作ったから、スタッフが重なっている。


    関連文書

    アニメ『星のカービィ』に関わったハル研究所の関係者
    http://powderblue484.blog40.fc2.com/blog-entry-90.html
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