花粉を食べると花粉症になるか? 『星のカービィ』第74話の疑問

    アニメ『星のカービィ』第74話 モスガバーの逆襲!(脚本 吉川惣司)について、免疫学的なツッコミをしてみようと思う。

    この話は、デデデがカービィを花粉症にするために、カービィに花粉を吸い込ませたり、花粉を食べさせたりする話だ。

    しかし、簡単にいうと「花粉を食べると花粉症になる」は間違い。
    花粉症は、花粉を吸い込んでなるものだ。
    花粉を食べると、逆に花粉症になりにくくなる可能性すらある。

    経口寛容というものがあって、人は食べ物として口から入ったことがある物質には、免疫反応を起こさないという性質がある。
    参考 免疫寛容


    このメカニズムは、常に不可避的に入ってくる食物抗原に対して、過剰な免疫反応が起こらないように調節し、食物アレルギーを起こさないようにしているらしい。消化管の持っている、もう一つの免疫調節機構である。
    免疫・「自己」と「非自己」の科学 多田富雄


    だから、花粉アレルギーの人に、少しずつ花粉をなめさせるという治療法がある。
    脱感作療法や減感作療法という。
    より正確な治療法を知りたい方は スギ花粉症 減感作 での検索をおすすめする。

    それでは、花粉を食べると花粉症は治るのか?
    実は、それで死にかけた人がいる。


    健康薬品で販売される“スギ花粉カプセル”を飲んで起きたショックの報告があります。
    (実例)
    2007年和歌山で49歳、女性(スギ花粉症:17歳より、既往症:なし)が、
    スギ花粉カプセル「パピラ」を服用し、運動(テニス)をしたところ、摂取約20分後、
    口唇・眼瞼の腫脹、蕁麻疹が発現し、救急外来受診、その後、アナフィラキシーショックをおこし、気管が閉塞し意識不明状態に陥ったため、気管内挿管し対症療法を実施し、治療により意識を回復した。
    という事件が起こっており、健康薬品の安全性が問題となりました。
    スギ花粉症舌下減感作


    つまり、デデデがエスカルゴンに花粉団子をあげたのが、花粉症発症前なら善行。発症後なら、悪行。発症後なら、せめて一日にコーヒースプーン1さじとかにしようよ。かなり大量にあげてたよね。まあエスカルゴンは「くれた」とは言ったが、「食べた」とはいわなかったな。もしかして、警戒して口にしなかったんだろうか。

    ちなみに花粉団子はミツバチのご飯。
    人間用に売っていたりもする
    アマゾン みつばちが作った花粉だんご

    ここに突っ込むのもなんだが、豆知識として書いておく。
    軟体動物(カタツムリ)は花粉症にならない。
    なぜなら、花粉症を引き起こす、獲得免疫は脊椎動物(背骨がある動物)に固有だからだ。
    参考 獲得免疫と自然免疫
    逆に鳥類はアレルギーになる。
    エスカルゴンは、進化しまくっているカタツムリ。


    このアニメ作品は2003年のものだけど「経口免疫」の概念はすでに、一般人向けの免疫学の本にも書かれていたので残念。

    デデデもスコップで食べさせるのではなく、大型扇風機でも用意して花粉をカービィにむけて飛ばせばよかったのに。そうか、やり方が間違っていたから作戦が失敗したんだね。

    そもそも鼻がないカービィはどうやってくしゃみをしているのか、根本的な疑問を感じてきた。鼻は見えないだけ?

    この話はデデデの勘違いですましてもいいけど、フームやエスカルゴンあたりが「この作戦は逆効果でげすよ」とか突っ込んでないので、誤解を広めたことにはなるな。
    誰かがデデデに突っ込んで「よし、作戦変更ぞい!」でモスガバーを呼べばよかったのではなかろうか
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    タグ : アニカビ

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