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    『ゆうれい小僧がやってきた! 2』「奇跡をよぶ雨! の巻」

    ゆでたまご先生の『ゆうれい小僧がやってきた! 2』「奇跡をよぶ雨! の巻」で、主人公達が、枯れ木に姿を変えられてしまうが、雨で枯れ木に茸が生えて、その茸から、主人公達が再生するという話がありました。
    これは水木しげる先生の影響でしょう。

    水木先生は、吸血木の話を何度か描いておられますが、今回は小学館文庫版 『墓場の鬼太郎 6』に収録されている、「吸血木」の話を参考にします。

    これは鬼太郎が寝ている間に、何者かが吸血木の種を植え付け、鬼太郎が木になってしまうという話です。
    やがてその木に花が咲き、実が生って、その実から鬼太郎が再び生まれて来ます。

    似たような話は、西洋の民話にもあります。

    『イタリア民話集 下』に載っている、「三つの石榴の愛」という話です。
    石榴(ざくろ)の実から娘が生まれ、その美しさを妬んだ醜い女に殺されます。大地に落ちたその血から、小鳩が生まれ、その小鳩が殺されるとその血から、石榴の木が生えました。その実から、娘は再生して、王子と結ばれました。

    水木先生は、どこかで似たような話を読んだのでしょう。桃太郎や瓜子姫を初めとして、人が植物の実から生まれてくる話は多いです。
    本人が再生する話は、そう多くはないと思いますが、水木先生は博学ですから。

    ゆで先生は、水木先生の漫画を読んだのでしょう。アニメを見たという可能性もありますが。
    しかし、元の話では、木の実であったものが、茸に置き換わっています。
    人が木の実から生まれてくる話は数あれど、木の子から生まれてくる話は浅学にして存じません。
    ゆで先生が花実ではなく、茸にしたのは、水木先生そのまんまではよろしくないと判断して、オリジナリティを追求してみたのかもしれません。男らしさを追求したのかもしれませんが。

    水木先生の話では、数日の時間をかけて花が咲き、実が育ちます。
    ゆで先生の話では、雨が降るとまたたくまに茸が生えます。
    この速度の問題が、実から茸への置き換えの際の、ひとつのポイントでしょう。
    一日で花が咲き実が生る木はなくとも、一日で生える茸はいくらでもあります。

    種から木が生え、花が咲き、実が生り、その中に種があり、またそこから……という死と再生のイメージは、人類普遍なのでしょう。
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