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    2005年12月31日 K-1 Dynamite!!

    K-1の中尾対ヒーリング戦以外の試合についてメモ程度に。
    ちなみに安い席でリングが手のひらの上のマッチ箱サイズに、見える距離でした。

    第一試合

    大山峻護対ピーター・アーツ

    試合時間は30秒。大山がピーター・アーツをあっという間に足首固めで勝利していました。
    この決着の早さが格闘技らしさのなのか、と思いました。
    正直、何がなんだかわかりませんでした。
    殴りかかる、絡み合って倒れる、決まるまでが、えーとえーとの間でした。

    第二試合

    ジェロム・レ・バンナ対アラン・カラエフ。

    バンナが相手を殴ってKOしていました。
    この後、カラエフは病院に運ばれたらしいです。

    第4試合

    永田克彦対レミギウス・モリカビュチス

    事前に特集番組を見て、期待していたのはこの永田選手でした。
    レスリングのオリンピックメダリストなんですよね。
    ぱたっ、ぱたっと相手を低い位置でひっくり返す、アマレスらしい投げが印象的でした。
    それで相手をひっくり返しては覆い被さっていく。そんな地味で上手い試合で勝利を収めていました。
    デビュー戦ですし、意地でも負けられなかったんでしょうね。
    地味な展開に「ドロップキック見せろー」とか野次られたりしていました。
    まあ、兄がプロレスラーだし。
    面白かったです。
    正統派のテクニシャンか、何か間違っている人が好きなので、今後も見ていきたい選手です。

    第5試合

    レミー・ボンヤスキー対ザ・プレデター

    キックを得意とするK-1元王者とプロレスラーを寝技無しの、K-1ルールであてるということで、連れの格闘マニア(武蔵がいなかった頃のK-1を観戦したことがある)は、派手なKO劇を演出するために、このマッチはメイクされたんだと言って、試合前にプロレスラーに同情していました。
    ちなみに、ブルーザー・ブロディのコピーレスラーらしいのですが、わたしは後でブルーザー・ブロディの写真を見て「ザ・プレデターそっくり」とかいうレベルのニワカでした。

    が、この試合、意外にプレデターが粘って、延長までしました。

    ザ・プレデターの痛いよ、とでもいいたげに目を細めつつも、相手に向かっていく姿が格好良かったです。
    油断か不調か、最初は手加減してやろうという王者の余裕か、3ラウンド目でようやく出されたボンヤスキーの膝蹴りは美しかったですね。リプレイを見ると、ちゃんとあごに入ったらしいし。

    この試合は元王者の判定勝ちでしたが、観客はプレデターの健闘を讃え、判定でボヤンスキーの勝利となった時は、ブーイングが起きました。

    実はプレデターは、レスリングの大学選手権王者だったそうで、以前もこの大会に出て勝利しているらしいです。それにしてもすごいですね。

    第6試合
    武蔵対ボブ・サップ

    おお、これがキン肉マンII世のカバーの折り返しに登場していた武蔵か。
    ボブ・サップも生で見るとは思いませんでした。
    いや、格闘技とか興味なかったし、あまりテレビで見た人を生で見るという経験がないのですよ。
    ジャガー横田すら、生で見た後にテレビで見ました。そして、芸風の幅の広い人だなあ、という感想を抱いたのは内緒です。

    サップ、テレビで見るより小さいな。席が遠いから。
    まあ、トップロープの高さと比較すれば、わかるんですが。

    観客はこれまでに比べれば少し湧いた程度の反応で両者を迎えました。
    打撃主体でわかりやすかったですね。

    連れ「サップは痛みに弱いから、追い込まれると逃げ腰になっちゃうんだよ。」
    わたし「人としてまともですね。」
    連れ 「いや……そうなんだけど……。」

    サップが武蔵の後頭部を2発殴り、イエローカードを貰っていました。
    そして試合が中断され、武蔵に5分の休憩が与えられることになったのですが、ここで武蔵選手が「3分でいい」と。
    これで会場は湧きましたね。

    第7試合

    魔裟斗対大東旭

    記憶にございません。

    第8試合

    セーム・シュルト対アーネスト・ホースト

    この試合は新旧王者対決でした。
    同じオランダ人なんですね。オランダも格闘技が盛んな国だというのは、記憶にあります。
    それで、母国の英雄の座を奪われたホーストが、新たな王者に挑戦状をたたきつけたようです。
    新旧王者はそれぞれ、入場の時にベルトを掲げていました。
    そして、かつての王者は血を流して敗れ、新たな王者のシュルトは自分こそが「今の」チャンピオンであると、腕を上げて誇りました。
    覚悟の上での挑戦でしょうが、負けた方が気の毒でした。

    第9試合

    曙対ボビー・オロゴン

    元横綱対芸能人という異例のカード。

    テレビとかでも散々煽られて、待ってました、この試合。

    テレビの「曙は 除夜の鐘では ありません」という視聴者川柳が印象に残っています。
    あけぼのー、とか、ボビー、とかいう子供の声などが飛び交っていました。
    ボビーは身軽で曙は相撲取りらしい戦い方でした。
    ああ、ここが土俵ならとっくにボビーは押しだされて、押し倒されて、土付けられてるんだろうなー、という感じ。
    でも、コーナーに追いつめても殴れないし、倒して上にのるのは上手いが、その後関節技とか極まらないし。
    なんか、自爆という感じに足がもつれて転んだりもしていました。
    相撲取りは長時間戦わないしなー。
    最後の方はお互い近づきたがらなくて、あえていうならボビーが身軽に飛び跳ねながら殴ったりしていました。
    何度も審判が「もあ、あぐれっしぶ(もっと攻めなさい)」とかいう展開に、「ころがれー、ぼのー」とかいう野次が飛び、それで笑いが起こったりしていました。
    連れは、曙を途中まで応援していた人が、「もういい、やてまえボビー!」と叫んだのが、印象に残っているそうです。それは見捨てられる瞬間。

    ちなみにものを投げられないためでしょう、缶やペットボトルの持ち込みは禁止でした。ビール売りはビールを紙コップに注いで売っていました。

    第10試合

    ホイス・グレイシー対所英男

    所は逆境ファイターという、入場テーマ曲がすごく印象に強いです。
    で、何度かグレイシーにつかまれて、絡んでくる腕や足を抜けたり体勢を入れ換えたりしていました。
    その度に観客がおおーっと沸きました。寝技の攻防でここまで沸くなんて、むしろ観客の皆さんを尊敬しました。

    グレイシーの必勝パターンが、観客に覚えられているから、こうやって所が抜けると観客が盛り上がるんだろうな、と思いました。
    今度来るときはもう少し「グレイシーの必勝パターン」に詳しくなりたいです。
    時代遅れな気もするけど、まだ現役選手なんですし。

    第11試合

    山本“KID”徳郁対須藤元気

    和風で派手な元気の入場が印象に残っています。
    大晦日らしいな、と。
    山本選手は肉2世のコミックスの帯で、その名に覚えがあります。
    スグルとウォーズのかわいい似顔絵を書いていました。

    試合は最後に仰向けになった元気に凄い早さで、山本がパンチを次々に打ち込むあの場面しか覚えていません。それを止めるレフェリー、驚いてレフェリーを見る元気。
    そして、山本選手の勝利となりました。

    最後の表彰式には天から金色に輝くテープが降り、スクリーンには花火の映像が映っていました。
    生で女性歌手によりアメージンググレイスや、蛍の光が歌われるなか、観客は潮が引くように退場していきました。
    最後には「一年間どうもありがとうございました。来年もよろしくお願いします」というような挨拶が縦長のスクリーンに映り、年末らしくしめていました。
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    シンイマミヤの赤い雨

    こう聞いて、ブロッケンJrでなく、ジェイドを思い出してしまう人はきっと少ない。
    これは、さる2005年7月23日に行われた、ザ・プラン9のライブイベントの名称です。
    わたしは見ていないので、以下に書き連ねる文章はよそさまのライブレポやブログその他を参考にしております。
    興行が行われた、デルフィンアリーナの最寄り駅のひとつが、新今宮なので、こういう名称なんでしょうね。
    ザ・プラン9は、お~い!久馬、鈴木つかさ、浅越ゴエ、灘儀武、ヤナギブソン、そして影の構成員・覚王山の6人からなる吉本興業所属の演劇的お笑いユニットです。
    このプラン9とケンドーコバヤシが組み、大阪プロレスからはスペル・デルフィン、ビリーケン・キッド、タイガースマスク、ラ・内田、小山レフェリーが出演しました。
    これにバッファロー吾郎の木村と竹若の二人と、りあるキッズの安田を、ゲストとして加えたようです。

    つまり出演者は、

    お~い!久馬 
    鈴木つかさ
    浅越ゴエ
    灘儀武
    ヤナギブソン
    覚王山

    ケンドーコバヤシ
    りあるキッズ安田
    木村明浩
    竹若元博

    スペル・デルフィン
    ビリーケン・キッド
    タイガースマスク
    ラ・内田
    小山良

    ……と、なります。
    ずいぶん、たくさん人が出ていませんか? 合計15名ですよね?
    ここまで本格的にやるなら、ぎゅうぎゅうにつめても300人強のデルアリじゃなく、700人が入るIMPホールでやれば良かったのに。まあ、実験的試みというのもあるんでしょうが。

    ネットで読んだ範囲では、初めてプロレスを生で見たが面白かった、と言っている人がこのイベントの観客には多いみたいなので、大阪プロレス的には知名度アップ狙い、新規客層開拓として、意味があったんではないでしょうか。これで普段のお客が増えたかどうかは怪しいですが、減るわけでもないでしょう。

    このイベントについて、「いまだかつてないほど異例の、お笑いとプロレスという全く違うジャンルの組み合わせ」というように書いてあるサイトがありました。
    え?
    お笑いとプロレスの融合ってそんなに斬新?
    ケンドーコバヤシが大阪のリングにあがるのは、はじめてではないし、9月の話になりますが、ハッスルではお笑い芸人のレイザーラモンHGがリングに上がりましたよね?
    つか、いつでも大阪プロレスはお笑いをやっていますって、そうか、プロレスを生で見るのは初めてという人にはわからないか。
    って、わたしも全然詳しくないからこそ、「プロレスってリングの上でベタなギャグをやるんでしょ?」というキン肉マンを愛読して、大阪プロレスを見ている人間しかそんな風に思わないという激しい勘違いをしている訳なんですが。
    でも、女子プロの選手が一休さんにコスプレして笑いを取る、長与千種プロデュース興行とか、ユージンがボケをかますWWEを見ていると、自分のこの誤解が今後訂正される気がしません。

    確かに、昔の新日本プロレスとかだと自らをリアルファイトと称し、全日本プロレスやアメリカのプロレスをショーとする対立構造がありましたから、観客が笑うような試合はプロレスの真剣さを損なうとされていました。
    プロレスに笑いを持ち込むべきではない、という時代は確かにあったのでしょう。
    資料的にはそういうことも知っていますが、実感はわきませんねえ。

    総合格闘技が真剣勝負、プロレスがショーということになった時、プロレスの興行をする人たちの中に、「よし、演劇やサーカスのように笑いをとろう!」という発想が芽生えること自体は当たり前なんですが、急展開ではありますね。
    大阪プロレスは、吉本興業と提携しているはずなので、今後もこういう融合イベントはあるかもしれません。
    ちなみに吉本興業は1960年代にもプロレスの興行を手がけていたことがあります。

    それに、お笑いとプロレスの融合は、キン肉マンが25年前に果たしてるし。(なんか違う)
    ただ、プラン9のこのイベントの場合、レスラーにかなり本格的にお芝居をさせているみたいなんですよ。そういう意味では、画期的?
    Vシネマにレスラーを出すのだったら、よくあることなんでしょうが、ライブでお笑い芸人の書いた脚本通りにレスラーが演じるとかいうのは、やはり斬新でしょうね。社長のデルフィンさんが「4試合もある」「やるだけやるが無理やぁ~」とブログで言っておられました。いくらお芝居の一場面でも生で一日4試合はすごい脚本だと思いますが、やりとげられたようです。普通、レスラーは一日1試合で、2試合でも連戦で大変だね、と言われます。ほとんどがプロレスは初めてのそして満員のお客さんの前で手は抜けないでしょうし。
    きちんとしゃべれる人ということで、デルフィン、ビリーケン、タイガース、ラ・内田という人選になったんでしょうか。まあ、二代目えべっさんとか、食いしんぼう仮面とか、プロレスラーに見えないし。無頼漢はヒールだから、こういう和やかな場は似合わないだろうし、そもそもブラックバファローは、キャラ被りの可能性があるし!

    なお、その日のリング(舞台)にあがったタイガース選手のブログにこの日の様子が簡単に記されていました。

    満員のお客さん(ほぼ若いお姉ちゃん)の前で堂々とキン肉マンネタで勝負。キン肉マンを知らないであろう新人類を相手に笑いをとる皆さんの目はギラギラ輝いていました。

    すげえ。
    でも今日来てくれた人の何人が「新今宮の赤い雨」というタイトルで血の温度をあげれたのか。
    そのへんの現実はさびしいですかね。

    でも通用させる実力があるから大成功するんですね。

    タイガースマスクの大阪首都化計画:新今宮の赤い雨。



    お笑い芸人がプロレスのリングに上がったら、とりあえずキン肉マンネタで笑いをとろうと考えるのは、あたりまえのようにも思うけれど、25歳より下の女性相手にはきついか。
    プラン9のファンの人のサイトには、なだぎというプラン9の人の変装を「ナチスの軍服を着ていた」と説明しているサイトもありました。
    いや、別に間違っていないけど、それ、肉ネタだから! というか、コスプレだし!
    ちゃんと(?)「ブロッケンJrの格好」と書いた他のプラン9ファンのサイトもあったのですが……しかし、この説明だと逆にどんな格好だかは、わからんな。
    ブロッケンJrを知らない人たちを相手に、「シンイマミヤの赤い雨」で勝負しようというプラン9の方々はすごいですね。タイガースさんに同意です。
    2年前のわたしが見ても、「あれがアシュラマンであれがラーメンマン、あれがザ・ニンジャで、あれがバッファローマン、頭にオムライスがのっているのは、たぶん、カレクックが元ネタ」なんてこたーわかんなかったでしょうから、本当に勇気があると思います。旬が10年以上前に過ぎているネタだよな。
    しかし、超人血盟軍-アタル+ラーメンマン(とカレクック)というキャラ選択か。演じている方が豪華なのか、演じられる方が豪華なのか、よくわからない芝居だな。アシュラマンもどきさんは、動かない4本の腕が邪魔でリングインに手間取ったらしい。

    ちなみに個人的にひっかかったのは、タイガースマスクのブログに寄せられた、以下の読者コメントです。

    『キン肉マン』懐かしい~。
    知らない世代が増えているとは、わいが年を取る訳や。
    ゆでたまご先生は、何しとんかいな。
    新作でも描いとるんやろか。



    『キン肉マンII世』のファンとしては、ここらへんはさびしいですね。うっうっ。

    プロレスがショーになって、プロが生でキン肉マンのパロディができる時代になったんですね。

    2005年 K-1ダイナマイト 中尾VSヒーリング

    「愛嬌と失敗は男の武器か?」

    男が愛嬌でのしあがっていくというタイプのビルドゥングスロマンが、大阪にはあるのだと、年末の漫才大会(M-1)や、大阪プロレスの再放送を見ながら、つくづくと思っていました。近年代表的な「笑いでのし上がったレスラー」はインディーズの大阪から、メジャーの全日に行った菊タローでしょう。
    大阪プロレスにいる限り、クールであることは出来ない。女性ファンに悪役を含めたレスラーが可愛い可愛い言われている大阪プロレスを見ていると、「もしかして、これまで自分はゆで先生が大阪出身ということを、あまりに無視してきたのではないか」みたいなことをつい考えます。スクワット1000回できる立派な筋肉と男の子的可愛げの同居って、異次元ゆでワールドだけの不可思議現象だと思っていたけど、なんか違う気がしてきた。
    わたしは出身が関東で、ここ最近関西に住んでいる人間なので、自分が立っている大阪がどういう土地かまだよくわかっていないのですよ。
    しかし、「大阪の男は、なんで愛嬌で金を稼ごうとするのか」ということを研究する学問って具体的にはどのあたりなんだろう?
    ゆでたまご先生は、笑いと愛嬌で金を稼ぐ大阪出身の男の一人、いや、一組です。例え遺伝子が同じでも、長野に生まれていたら、九州に生まれていたら、かなりの確率でそうではなかったような気が今、とてもしています。


    ところで、去年の大晦日はK-1ダイナマイトを見に行っていたんですが、大阪の土地にはリングに上がった男を「何が何でもウケを取らなくてはいけない」気分にさせる魔物でも棲んでいるんですか?

    いや、ヒーリングという選手と中尾という選手が対戦したんですが、その試合結果がこういうものだったのです。


    中尾が熱い口づけで反則勝ちした。試合前、額をくっつけたにらみ合いで、勢い余ってヒーリングにブチュ~とキス。このハプニングに完全にキレたヒーリングの右フックをアゴに浴びてダウン。ヒーリングは「ヤツはホモだ!」と怒りが収まらなかった。試合開始を先送りされたが中尾のダメージは回復せず、反則勝ちの裁定が下った。

    nikkansports.com、バトルTOP、リアルタイム速報、K-1 12・31大阪(引用元の記事はすでに削除されています)



    それで、会場にいたんですが、何が起こったのかさっぱりでした。
    中尾選手の背中から見る席だったんですが、両選手が近づいて、気がついたら片方の選手が倒れていたので、てっきりゴングがすでに鳴ったのかと思いました。
    でも、アクシデントとアナウンスされて、セコンドやドクターがバタバタとリングに上がってきて、試合前に殴ったらしいということが、連れの解説もあってようやくわかりました。
    倒された日本人選手の方に、何か挑発行為があったらしいということは、スクリーンを見ていた連れの解説でわかりましたが、試合前に殴ることはないだろうと思ってみていました。
    殴った方のヒーリング選手は、何だよ、おれが悪いのかよ、とでもいいたそうな不機嫌な表情で、ウォーミングアップでしょう、軽く跳んでいました。
    まさか、一発で倒れるとは思っていなかっただろうな、とはそれを見て思いました。
    そのうち中尾選手は担架で運ばれていき、ドクターストップで試合は行われない、中尾選手が回復したら行う、とアナウンスが。
    連れが後ろの席の客の会話を聞きとったところによると、どうも中尾選手はキスをしたらしい、そんなバカな。プロレスじゃあるまいし。

    その後、第八試合後に、中尾選手が回復しなかったので、HERO'S公式ルールにより、試合前に殴ったヒーリングの反則負けとする、というアナウンスが。そして相手の選手を侮辱した中尾選手にもペナルティが科せられると聞きました。

    家に帰り、ネットでHERO'S公式ルールを確認してみましたが、こういうことのようです。

    第7条 試合の勝敗は以下の結果で決定する

    第3項  テクニカルノックアウト(T.K.O)

    (b) ドクターストップ
    相手選手の正当な攻撃を受けて怪我を負った場合、リングドクターが診断し試合続行不可能と判断したとき、その選手は敗者となる。但し、反則攻撃による怪我の場合は、反則を犯したものが敗者となる。



    わたしの記憶によると、8条2項に基づいて中尾選手にペナルティというアナウンスだったような気がするのですが、この項目は

    第8条 以下の行為を反則とする
    2.  目、鼻、口等、粘膜部への攻撃



    なんですよね。記憶違いでしょうか。

    両者を反則とする根拠は、この曖昧な項目かも。

    第8条

    18. プロ選手として常識外の行為反則行為により選手がダメージを負った場合、または選手の位置関係に大きな影響が見られた場合はレフリーは必要に応じて試合をストップし、反則を宣告の後、反則行為が行われた直前の状態から試合を再開するものとする。また反則行為が攻防の流れに大きな影響を及ぼさないとレフリーが判断した場合は、試合は継続状態のまま反則の宣告が行われるものとする




    会場で聞いたアナウンスでは最後まで「キスをした」とは言わなかったので、家に帰ってネットで調べて、写真とか動画を見て、うわー、マジでそんなことやったんだ、と驚きました。
    会場にいた客でわかったのは、スクリーンを凝視していた人間か、近い席のいい角度でリングを見ていた人間でしょう。

    いきなりキスされたら、殴ってもいいとは、そりゃ思うよ?
    男にだって性的自由を守る権利はあるし。

    しかし、「試合前に相手を殴るな」と「対戦相手を侮辱するな」という明確な項目は、ヒーローズルールにないんですね。
    常識の範囲というか、れっきとした法律違反ですから、わざわざ書かなくていいと思いますが。
    試合開始前なら、パンチは単なる暴行だし、合意に基づいていないのなら、キスは単なる強制わいせつです。予定されたシナリオがあったのなら、どちらも合法ですが、そうでないなら、両選手共にお気の毒です。
    特にK-1のペナルティというのは、反則1つでファイトマネー10パーセントカット、失格になればファイトマネーを全額返さなくてはいけません。
    ヒーリングはこのルールがそのまま適応されれば、ノーギャラです。

    プロレスならホモネタギャグは、見たことがあります。パンツドライバーの開発者、男色ディーノとかは、それが売りですよね。
    ちなみにK-1GP1995のベルナルドvsバンナ戦でも、にらみ合いからキスというのはあったそうなのですが、ジョークとして相手も会場も受けとめたらしいです。

    K-1やPrideはショーです。

    今回会場で流された、須藤元気のこれまでの戦いの映像の中に、プロレス技のバンデーラがありました。それが名場面になるんですね。
    桜庭とか、そういう「おふざけ」をやる選手は、たしかに人気があります。
    なのでそういう美しいが効かない技を、試合の最中に出さないといけないような気がしてくる選手もいるでしょう。
    今回のヒース・ヒーリング選手の入場の際の紹介文句は「テキサスの暴れ馬」というとてもプロレス的なものでした。興行師達はもちろん、選手達もプロレスラーをひとつのお手本にしているようです。
    中尾選手もプロレスが好きで、総合格闘技の試合中にドロップキックを出したりしていたそうです。挑発好きなのも、その流れと思えなくもありません。

    例え試合自体が真剣勝負でも、選手の過去は物語化されて映像が流され、入場は演出され、魅力的な容姿、人を引きつける言動を期待されます。
    選手には「キャラを立てないといけない」とか「余裕を見せないと」とか「愛嬌のあるところを強調しないと」というプレッシャーがかかっているのでしょうね。

    これは苛酷な要求です。

    一流の役者でさえアドリブで場を湧かせるのは、難しいものです。
    スポーツの世界で強さを追い求めてきた人間が、これはショーなんだから何か面白いことをしないと、と思いつめて見事にこけたら、ものすごく笑いがとれてしまったというのが、中尾xヒーリング戦でしょう。でも、中尾選手は一人で滑ったわけではなく、相手を巻き込んでの転倒でした。

    ちなみにこの事件は、英語のサイトでは「キス未遂」というように言われたり、スポニチのサイトでは「頬にキス」として書かれたり、ライブドアニュースでは「挑発行為」とボカして書かれたりしているので、どうも一部マスコミは、お気の毒な中尾選手やかわいそうなヒーリング選手の名誉を守る方向に動いているようです。
    単に不正確な報道ではないでしょう。
    あいつ男にキスされたんだってー、とか言われたらテキサスでは生きていけそーにない。それを考えると、当然とも言えますが。

    ネットに写真や映像が出回っているにも関わらず、真相は薮の中につっこまれてしまうんでしょうか。
    でも、そういう「隠す動き」があるということは、あれはヒーリング選手が予め同意したシナリオなんかでは、なかったということなんでしょうね。
    それじゃあ、ガチで公衆の面前で辱められた上に、新聞に写真が掲載され、世界中に動画流れまくりなのですか……。お気の毒です。
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