FC2ブログ

    『チックンタックン』電子版の感想

    鳥キャラ探索中ということで、電子版の『チックンタックン』を読む。うむ、丸くて黄色い足のペンギンだ。


    1985年まで学研の○年の学習や○年の科学に連載されていた漫画。雑誌は今は休刊になっているが、当時は売れている雑誌だった。絵は石ノ森章太郎先生。1984年にアニメ化もされた。これが懐かしい人は40代ぐらいかな。
    簡単にいえば、小学生の美少女のところにペンギンに似た二頭身の宇宙人が帽子型のじいやを連れて居候に来る。電子版1巻の表紙の三人がこれで、少女はミコちゃん、宇宙人はチックン、帽子がタックン。美少女の家に変な居候というのは、藤子先生より手塚先生の『三つ目が通る』に近い印象だ。
    電子版の立ち読みはここで可能。
    https://booklive.jp/product/index/title_id/60000814/vol_no/001?utm_campaign=sns-tw&utm_source=social&utm_content=product-index&utm_medium=social&bl_inno=none
    紙の単行本の『チクタク大冒険(石ノ森章太郎萬画大全集)』は、京都国際マンガミュージアムに所蔵されている。
    https://mediaarts-db.bunka.go.jp/mg/book_titles/183318

    電子版1巻は「科学」の掲載作を収録、2巻は「学習」の掲載作を収録している。
    Wikipediaの記述を信じるなら、1巻だけが「絵がアシスタントではなく石ノ森章太郎」である。
    なお、1巻の絵は人物が小さめで、複数の人物がひとつのコマに描かれていることが多い。

    科学まんがなので、科学知識が漫画の中に織り込まれている。
    「かたつむりににんじんばかりたべさせたら ふんのいろはなにいろになるかな」
    (『1年のかがく』掲載版より)
    「アデリーペンギンなんか、結こんしようと思うと、小石をプレゼントするんだから。」
    (『5年の科学』より)
    学習漫画の方も、学年によっては言葉の起源について語っていたりした。
    まんがの中の家や旅先が、すごく緑豊かで昭和の風景を感じられる。
    木造で瓦屋根の一戸建ての家に、庭に面した木の廊下や竹の縁台、セミのとまれるような木の何本もある庭は、田舎でも少なくなりつつあるだろう。
    季節感はコロコロコミックなども重視しているが、自然に対する思い入れは石ノ森章太郎先生の作風でもあるのだろうか。

    小ネタあれこれ

    主人公のパートナーとしての帽子は『ドロロンえん魔くん』(1973年~)のシャポーじいが、私の知る限りでは一番古いかな。
    最新は『スーパーマリオオデッセイ』のキャッピー。

    敵の親分の家来ロボットのギジギジは『ピクミン』(2001年)のダマグモに似てる。石ノ森先生のデザインなんだろうか。ギジギジがダマグモの元ネタかどうかまではいえないが、1980年代からアニメや漫画であったデザインとはいえる。
    古典SFの世界での、タカアシガニ風メカといえば『宇宙戦争』(小説は1898年)のトライポッド(三脚)が有名。名の通り三本足だ。

    ダマグモは4本足。
    ギジギジは6本足なので、昆虫っぽい。

    2巻の方に、悪役のドクターベルが、家来のギジギジを木製のハンマーでガンガン叩いている話がある。
    シティハンターといい、1980年代は相方をハンマーで殴るのが流行っていたのか? こういうのって、テレビのお笑い番組が流行らせたりしていて、漫画やアニメだけ見ててもわからないんだよね。
    ちなみに、親分の方が千葉繁さんで、家来の方が緒方賢一さんだ。龍田直樹さんは主人公側のロボであるジタバタメカタン。
    スポンサーサイト

    『写真集 交尾』という性教育の本を買った

    写真集 交尾』という子供のための科学的な性教育の本がある。小学生にも読めるようにふりがなつきだ。
    ちなみに、一ページ目にはマダカアワビの体外受精とアフリカマイマイの交尾の写真が掲載されている。アフリカマイマイは人を死に至らしめる寄生虫の宿主であり、日本では有害動物指定を受けている。エスカルゴの代用として食用にされたりもする。それと、人間がやるのは難しそうな格好で、アデリーペンギンが交尾しながらキスしている写真が掲載されている。他にはスズメとか。身近な鳥だが、そういえば交尾は見たことがなかった。

    Eテレが『香川照之の昆虫すごいぜ!』などの子供も見るような動物番組で交尾をとりあげるのも正しい生物学教育であるとともに、正しい性教育を目指しているのだろう。未来ある子供達に動物性愛の傾向をもたせようとかではない……はず。

    ルポ 餓死現場で生きる (ちくま新書)』には子供は神からの贈り物と考える発展途上国での、避妊具の普及の難しさを書いたくだりがある。避妊は呪術によって行うのが、彼らの常識なのだ。「動物は交尾で子孫を残す」や「精子と卵子が合体して赤ちゃんが生まれる」と小学生に教育するのは、避妊教育の前準備でもあるのだ。
    子供が出来ませんように、と神に祈ることをおかしいと思う人もいるかもしれないが、子供が出来ますようにと神に祈る人は現代日本でもたくさんいるのだ。

    阪神大震災物語という本を大阪のレンタルボックスで入手した

    阪神大震災物語
    兵庫県中小企業家同友会編
    たくましき中小企業家たちのたたかい 内外書房
    平成7年10月17日
    定価1500円

    おそらく自費出版に近い形態で発行された本。
    阪神大震災の際に被災者となった、兵庫県の中小企業の社長達がどうしたかを、インタビューと寄稿で記録してある。唯一の?女性社長としてスナックのママが登場している。
    それでわかったのは、ビルがつぶれたからといって、会社がなくなるとは限らないということ。
    工場の一角に本社を移転したり、プレハブで早期に営業を再開したり、工務店の親戚に補修を頼んだり、離れた場所に事務所を新しく借りたりといった、様々な体験が納められている。
    個人が生き残るための防災の知恵というのはニュースでもよく聞くが、会社が生き残るための知恵というものは、あまり聞かなかったので、面白かった。


    ここに手記やインタビューが掲載された企業は、20年以上たった今でも存続しているのかと思い、簡単に検索をかけてみた。
    多くが存続しているようだ。社長の名前が本と同じだった会社も複数あり、震災の後も社長として生き抜いたのだと感動した。

    本に登場する企業のリスト
    特定できた会社には、リンクを張ってあります。

    日本ジャバラ工業株式会社
    http://www.jyabara.co.jp/

    株式会社 公詢社
    http://www.kohjun.co.jp/

    株式会社山本幸次郎商店
    http://nttbj.itp.ne.jp/0785758650/index.html

    横山株式会社
    http://www.yokoyamakk.com/index.htm

    株式会社 フタハト
    http://www.rakuten.co.jp/two-doves/index.html

    神戸電子パーツ株式会社
    http://www.engineer.jp/1603.html

    株式会社富士防水工業
    http://nttbj.itp.ne.jp/0120078551/index.html

    マザークリーニング
    http://www.shiminuki.jp/

    丸本産業株式会社
    http://www.marumotosangyo.co.jp/index.html

    澄川商会
    http://www.rakuten.co.jp/kobefragrant/index.html

    古石工業株式会社
    http://www.mapion.co.jp/phonebook/M26012/28365/0795323678-001/

    お仏壇の畑中
    仏壇の畑中、破産手続き開始 負債約2億6800万円 2014/9/16
    http://www.kobe-np.co.jp/news/keizai/201409/0007335962.shtml

    橋本建設株式会社
    http://www.kobe-hashiken.co.jp/index.html

    株式会社ミツワ
    http://townpage.goo.ne.jp/shopdetail.php?matomeid=KN2800060600022638

    スナック「パッション」
    特定できず

    座談会

    関西工管有限会社
    http://www.kansaikoukan.com/index.html

    株式会社 サンエース
    http://www.refine-kobe.com/index.asp

    株式会社 センタージムキ
    特定できず

    新星電気株式会社
    http://www.shinsei-el.co.jp/

    株式会社 マルミ製作所
    http://marumi-kobe.com/index.html

    投稿手記

    株式会社エミヤ
    http://www.emiya.co.jp/index.php

    株式会社六甲歯研
    http://www.e-108.com/

    投稿手記

    有限会社 ライブアインス
    特定できず

    株式会社藤製作所
    http://www.fuji-sss.co.jp/

    株式会社 ワインパルジャパン
    特定できず

    有限会社 藍和不動産
    特定できず

    日本ビジネスデータープロセシングセンター
    https://ssl.nihon-data.jp/

    堂内米穀店
    特定できず

    株式会社 神栄商事
    特定できず

    有限会社 アサヒエンジニアリング
    特定できず

    有限会社 昭花園
    http://sho-kaen.jp/index.html

    六甲テレコム株式会社
    http://www.sun-inet.or.jp/~rokk1661/

    大関化学工業株式会社
    http://www.ozeki-chemical.co.jp/

    NSKエンジニアリング株式会社
    http://townpage.goo.ne.jp/shopdetail.php?matomeid=KN2800060600002662

    高嶋酒類食品株式会社
    http://www.konanzuke.co.jp/index.htm

    株式会社渡辺農園
    http://www.watanabe-nouen.co.jp/

    早水電機工業
    http://www.hayamizudenki.co.jp/

    『ゲゲゲの鬼太郎』のバックベアードの正体は閃輝暗点

    バックベアードという妖怪は、水木しげる先生のオリジナル妖怪だという。
    おそらく水木しげる先生は、バックベアードを実際に見たのだ。

    片頭痛の直前に見える幻視を、閃輝暗点という。
    閃輝暗点で検索すると、バックベアードに似た画像がいくつか見つかる。
    実際に見た人の話はこうだ。

    17歳の娘のことなのですが、時々、ぴかぴかした光が見えてギザギザのようにだんだん広がって見えるといいます。視界が暗くなって見えにくくなるようなのですが、中に人の顔のようなものが見えることがあるそうです。


    閃輝(性)暗点 とつか眼科
    中心が暗くて人の顔のようなものが見え、ふちが稲妻のようにギザギザして、歯車のように回転しながら視界をふさぐ、閃輝暗点はバックベアードそのものではないだろうか。ちなみに、アニメ五期のバックベアードは紫電と空間の歪みをともなって現れる。

    参考 突然、視野が欠けギラギラ光るものが見えた

    それでは水木しげる先生自身のバックベアードに、関する文章を引用しよう。

    この目でにらまれると、にらまれたものはとたんにめまいを感じ、ビルなどにいればたちまち落ちてしまうという。


    妖怪世界編入門 1978年 水木しげる

    この水木しげる先生の文章は「閃輝暗点を伴うめまい」という、病院ではよく聞く訴えではなかろうか。
    「めまい」は片頭痛と関連性が高い。

    めまい患者さんの約40%に片頭痛があるとされています。逆に片頭痛を有する人の約20%にめまいがあるとも言われています。

    めまいと頭痛|医療法人 入野医院

    芥川龍之介の『歯車』での、閃輝暗点とされる描写はこうだ。

    僕の視野のうちに妙なものを見つけ出した。妙なものを?――と云うのは絶えずまわっている半透明の歯車だった。僕はこう云う経験を前にも何度か持ち合せていた。歯車は次第に数を殖やし、半ば僕の視野を塞ふさいでしまう、が、それも長いことではない、暫らくの後には消え失せる代りに今度は頭痛を感じはじめる、――それはいつも同じことだった。


    歯車 青空文庫

    水木しげる先生は読書家だったので、本人が頭痛の時に閃輝暗点を見たのではなく、本や他人の体験談から着想した可能性もある。
    絵においては、内藤正敏氏の写真や、ルドンの絵画の影響であるとする説がある。
    鬼太郎最強のライバル「バックベアード」の由来と成立を考える
    たしかにこれらと似ている。
    しかし、内藤正敏氏の写真には「めまい」に関する文章は、ついていたのだろうか?
    元とされる「少年ブック 昭和40年8月号」や「少年ブック1967年8月号付録」の文章にも、「めまい」の文字はない。前者に「しらずにガケからおちたり、めくらになる」という文章はある。だが、ガケから落ちる理由は定かではない。目が見えなくなることと関連して、「目の前が暗くなったから」かもしれないし、逆に「まぶしく感じた」からかもしれない。憑依体験かもしれない。
    また、にらまれた者を死に至らしめる、邪視という概念自体は古くからある。

    水木しげる先生の「妖怪大戦争」(1966年5月)でも、めまいの描写はある。
    バックベアードの目を見た鬼太郎は「くらくらくらくら」という擬音とともに倒れ、夢遊状態でバックベアードに操られ、そのバックベアードの死とともに正常な状態に戻る。

    これは神経調節性失神(脳貧血)といわれる、めまいがした後での気絶らしくもある。だがその後夢遊病(睡眠時遊行症)に移行しているので、心因性の失神から催眠により解離したのだろう。古い言葉ではヒステリーとなるか。

    「妖怪ラリー」(1968年9月)でも、バックベアードは魔女や鬼太郎をにらみつけて、めまいをおこさせている。この時は気絶も夢遊病も伴わない。

    かように水木しげる先生は、バックベアードと「めまい」を結びつけている。
    だから、私は「バックベアードは、ある程度水木しげる先生の実体験に基づく」と考える。
    片頭痛の原因ははっきりしないそうなので、人がなぜ閃輝暗点を幻視するのかはわからない。
    バックベアードが有名な妖怪になった理由のひとつには、似たようなものを見たことがある人が少なくないということがあるんじゃなかろうか。それこそルドンも見たのかもしれない。

    閃輝暗点は古くから人々の目の前に現れていた。
    現代になってそれは、都会に立ち並ぶビルの上に現れるようになったのだ。

    小説『ノエル ラ・ネージュ』 (辰宮成彦 作)を読んだ

    ゲームをプレイしていないのに、『NOëL 〜La neige〜』 という、ゲームのノベライズを読んだ。

    『NOëL 〜La neige〜』というのは、冬のスキー場で転倒し大怪我を負った主人公が、同じスキー場に遊びに来ていた鎌倉の女子高生3人組に助けられて、そのうちの一人と彼女になるゲームらしい。

    小説はそれなりの長さがあるが、長編小説の構成ではなく、登場人物が同じ連作短編集のようだ。
    でも、この人がゲーム版のノエル ラ・ネージュの基本設定と脚本を担当した人なので、ゲーム版をプレイして気にいった人にはおすすめ。
    ゲーム版と女の子のキャラが違うということはないだろうから。

    文章はあまり小説らしくなく、ゲームの会話シナリオに、絵を無理矢理文章になおしてはさんだみたいな感じ。
    会話が続いたり、妙に形容詞の多い部屋の描写が続いたり。
    会話の場面が長く、会話をしている人の表情や仕草の描写が、会話の合間にはさまれる回数が少ない。

    内容はちょっと変わった女子高生三人が、恋や進路の悩みを抱えながら季節のイベントを楽しむというもの。
    アクションやミステリーではないので、敵らしい敵はでない。
    この小説最大の敵は、娘の涼も外交官にしようとする、外交官である彼女の父のような気がする。
    涼は人を助ける仕事がしたいと、福祉の専門学校に進もうとして病院の仕事を手伝い、父親に認めてもらう。
    その部分は面白いのだが、無資格の女子高校生が病院に住み込みして、手伝えることは少なそうだが、何をしたのだろうか。
    なお、ゲーム版の『NOëL 〜La neige〜』のウィキペディアの記述によると、医療施設にいる子供たちの世話をしたらしい。それならわかる。

    恋人らしい恋人は出ない。
    恋愛シミュレーションゲームである原作に忠実な小説化と言える。
    秋祭り、沖縄旅行、文化祭、スキー旅行、クリスマス、新年の行事とイベントが多い。
    悪人がいない話なので、優しい世界を可愛い女の子とともに楽しめる。

    この小説はあくまでも、原作のゲームをプレイした人のためのものだろう。小説単体で読んでも、正しく評価できない類いの小説だ。

    このペンネームで出ている小説は、これただ一作きり。

    著者略歴は色々と伏せられているが、この名前はペンネームであること、『NOëL 〜La neige〜(ノエル ラ・ネージュ)』での担当は基本設定と脚本、どうやら本名でゲームの作画部分も担当したらしい、ということがわかる。

    この小説の絵については、「おがたたくみ(スタジオ・ザイン)」と記されている。
    スタジオ・ザインは『NOëL 〜La neige〜』や『星のカービィ』のアニメーション制作会社。おそらく、第20話 「さよなら、雪だるまチリー」の脚本以外の形でもアニメ『星のカービィ』に関わった人なのだろう。

    『ノエル ラ・ネージュ』 [小説]著者:辰宮 成彦、イラスト:おがたたくみ /1998年4月30日発行/ 角川書店(ニュータイプノベルズ) ISBN 4-04-701621-7

    タグ : アニカビ