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    初音ミク達ボーカロイドの「調教」という言葉

    初音ミクやKAITO等の音声合成ソフトの音声を細かく調整する事は、一部で「調教」と言われています。
    しかし、この言い方には違和感がある人もいるみたいで「調声」という、造語でいおうとする人もいるようです。なお、本来の「調声」(ちょうしょう)は仏教用語?です。 「調教」という言葉をヤフーの辞書で引くとこうなります。

    国語辞書との一致 (1~1件目 / 1件) 検索辞書:大辞泉 提供:JapanKnowledge

    ちょう‐きょう【調教】
    [名](スル)動物を目的に応じて訓練すること。「盲導犬として―する」「―師」



    きっと「調教」という言葉をいやがる人は、シンセサイザーを動物扱いすることに違和感を抱いているのでしょう。


    はいはいわかってますよ。
    「人間を動物並に扱うSM的なものを連想する」から、調教という言葉をいやがっているのですね。
    機械を人間扱いした上で動物扱いする、ややこしい時代になったもんです。
    まあ、ソフトのパッケージがこんなんですから。



    ですが、わたしが知る限り最も古く、シンセサイザーに対して「調教」と言ったのは、神谷重徳です。彼はレーサーの経験のある、機械に詳しい、シンセサイザー・プログラマーです。彼は「電子音楽イン・ジャパン」(1998年発行)という本の中でこう語っています。

    僕にとってのシンセサイザーというのは、自分の思っている方向に調教できる楽器って意味が強いですから。




    電子音楽in Japan


    (この画像は私の持っている旧版ではなく、新版の物です。)
    ここでこの人のいっている「調教」というのは、「プログラムを書き換える」レベルの事なんですけれども。DTMユーザーの世界では、黎明期から「調教」といっていたのかもしれませんね。
    この神谷さんの活躍した時代のシンセサイザーというのはアープ2600等の、ピアノ並みのサイズがあるような代物です。
    黒く大きく、扱いにくいその時代のシンセサイザーは、レースマシンのように、乗りこなすのが難しい「猛獣」でした。

    そんなシンセサイザーを萌え美少女化したという点では、MEIKOや初音ミクは画期的でした。
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    KAITOがKAIKOになったわけ

    メーカーのサイトには、商品を買う時の参考になるように、サンプルがおいてあることがよくあります。
    KAITOという商品の場合は、それは歌声でした。

    クリプトン | KAITO(音楽ソフトウエア)

    このページの「デモ」に「七つの子」という歌があります。
    のどかな童謡を、KAITOがていねいに歌います。

    これを聞いて、KAITOを買った人がいました。
    そして、歌わせたのが、「プリンセス・プリンセス」というアニメの主題歌でした。



    2007年09月28日 01:30:51 投稿
    キミと出逢ってから (VOCALOID KAITO short ver.)


    公式サイトから「プリンセス・プリンセス」の、あらすじを引用しましょう。

    「姫」という制度。それは、男子校での男ばかりの生活の潤いとなるべく見目麗しい生徒を選び、校内のイベントの度に女のコの格好をさせるというもの。
    しかも、衣装はゴスロリ!
    転校生・河野亨は、その美形さゆえに本人が気づかないうちに「姫」候補にされてしまう。初めは拒絶していた亨だが、姫役の生徒には金銭面をはじめ様々な特典があると聞き、「姫」を引き受ける。

    アニメーション プリンセス・プリンセス 公式サイト


    そういうアニメの歌を、この美声で歌ったら、なんかKAITOが
    「女装の似合う美少年」みたいな感じじゃないですか。

    9月頃は、ニコニコ動画のKAITOマスターというと、「KAITOにアイスクリームの歌を歌わせた人(アイスP)」や「コロスケの真似をさせた人(コロスケP)」のお二方しかおられなかったので、この歌声の衝撃はすごかったのです。
    KAITOって、萌えの対象になるんだ、みたいな意味でも、KAITOのイメージを変えました。
    どちらかというと、男性にアピールする「萌え」でした。女性にも、もちろんヒットしましたが。

    プリプリは、原曲は男性が歌っていました。

    ですが、その後に同じIGASIOさんが、ニコニコ動画に投稿したのが、以前も紹介した蒼い鳥 M@STER VERSION (VOCALOID KAITO)です。

    蒼い鳥の原曲のCD




    この曲の作者コメントの「新世界への入り口PV(寛容な人のみ)」からたどると、KAIKOのビジュアルがわかります。要は蒼い鳥の元の歌い手である如月千早のコスプレなんですけれどね。

    参考画像


    この「蒼い鳥 M@STER VERSION」は、原曲の歌い手が女性です。

    そして、初音ミクの発売される4ヶ月前に、すでにMEIKOによるカバーが存在しました。


    また、この「蒼い鳥 M@STER VERSION」「THE IDOLM@STER」というゲームの中で使われた曲です。
    公式サイト

    このアイドルマスターというゲームは、ゲームの中で美少女アイドルを育成して、デビューさせて、人気アイドルとして輝かせるゲームです。



    こういう歌を歌ったら、KAITOがユーザー(マスター)に育成されて、プロデュースされる、ゲームの中のアニメ風美少女アイドルの卵みたいじゃないですか。

    実際、初音ミクは「まるで可愛らしいアイドル歌手を、自宅スタジオでプロデュースしているかのような感覚を味わえるでしょう。」というのが、クリプトン公式サイトでの、売り文句です。

    KAITOやMEIKOなどの初代VOCALOIDは、そういう売り方をされなかったのです。公式等では、人間の代用として、便利という感じの宣伝文句です。
    萌えるためのものでは、なかったのです。
    ただ、KAITOやMEIKOのパッケージイラストが、アニメ風だったのは、幸いでした。ITmediaの記事によると、パッケージをアニメ調にしたのが、MEIKOが売れた理由の一つだとか。

    クリプトン・フューチャー・メディアに聞く(2):「初音ミク」ができるまで (1/2) - ITmedia News

    KAITOの方は、発売の二年近く後に、パッケージが真価を発揮しましたよね。
    これ、描いている側は、アニメの美青年だか美少年のつもりで描いているよな、というのが伝わってくる絵でよかったです。唇の写真とか、シルエットのみだったら、PIAPROとニコニコ動画の総力を挙げて、美化し、手描き動画化し、3Dアニメ化しようにも元ネタがありません。

    時々、KAIKOは女装なのか女体化なのか、という疑問が出されたりします。
    わたしが歌声を聴く限り、KAITOの声は高音でも、男の美声ですが、ソフト音源に性別など関係ありませんよ。

    何はともあれ、これで「KAITOは実は美声」という再評価が始まったわけですね。
    そして、「KAITOって、おうちでアンドロイドを育成するゲームなんだよね?」というソフトウェアに対する新解釈も、たぶん、この辺りから広まったような気がします。

    ちなみに今回とりあげた蒼い鳥とキミと出逢ってからは、IGASIOさんという方がKAITOに歌わせました。IGASIOさんが他にKAITOに歌わせた歌は、こんな感じです。


    「金色のコルダという主人公が男の子と仲良くなりつつ、楽器の演奏コンクールでの優勝を目指すアニメのED」






    「機械が歌うという設定のタイニーゼビウス」







    「人間と機械が融合した勇者が活躍するガオガイガーというアニメの主題歌」






    「生まれた時は女性ばかりで、成人する時に女性か男性かを選ぶ百合アニメシムーンの主題歌」






    「マスターと呼ばれる魔術師が、サーヴァントと呼ばれる霊を召喚して闘うFateというアニメの主題歌」





    他にもありますが、省略します。

    つまり、KAITOは女装美少年で、パソコンの合成音声で、演奏される楽器で、プロデュースされるアイドルで、大人になったら男になるかもしれない美少女で、人間と機械が融合した存在で、魔術師であるマスターに召喚される霊的存在なんですね。わかります。

    なんというコンセプト重視の選曲。素晴しいです。

    ここまでKAITOを「人間の男」扱いしていないマスターも珍しいです。
    KAITOは機械で楽器で高音が得意で、人間を主人とする存在なのですから、それをわかっているマスターの方が、むしろKAITOをうまく扱えるのかな、と思ったりもします。

    KAITOがアイス好きになった理由

    ある日。
    正確には、2007年09月16日 00:56:16に、こんな動画が、ニコニコ動画に投稿されました。

    初音ミクからのお願い。

    この歌は、初音ミクがカバーした、「you」という曲の冒頭部分に、絵を付けて、一発ネタにしたものです。
    KAITOのことも思い出してあげて、とミクが歌います。
    この動画が投稿された、9月16日までに、ニコニコ動画に上がっていたKAITO曲は少なく、同じ曲の修正版とかをのぞけば一桁だったでしょう。
    KAITOタグを古い方から

    一方、ミクは数えづらいですが、300曲分はあったようです。
    で、この時ニコニコで活動していた、どうも二人ほどしかいらっしゃらなかったような気がする、KAITOマスターの一人がこんな動画を作成。

    2007年09月16日 04:53:30 投稿
    初音ミクへの回答


    アイスクリームの歌を、KAITOが楽しげに歌います。
    世間から忘れ去られている不遇な状況で、のどかにアイスを食べているというギャップと、それにふさわしい明るい歌声で、アイス好きのキャラが一挙に定着しました。

    早速、絵もついて、さらにそのイメージが定着。

    2007年09月22日 21:27:19 投稿
    【初音ミクへの回答】にイラスト付けてみた


    実は、2007年09月12日 23:27:47 に、同じKAITOマスター(アイスP)によって、こんな動画が投稿されていました。

    [VOCALOID][KAITO] この道わが旅


    KAITOが低い声で、歌謡曲を渋く歌います。
    KAITO曲が数曲しかなかったころ、珍しいKAITOと聞いて集まって来た少数の人の感想に、こんなのがありました。
    「若い声も出るだろ。出させてみろよ」

    おそらくはそれらの感想もふまえ、KAITOのデモソングに童謡が入っていることも踏まえて、「アイスクリームの歌」が選ばれたのではないかと思います。

    そして、アイスが定着した後、こんな動画が投稿され、アイス食べておなかを壊し、正露丸というパターンも定着(歌だけ聞くと格好良いのに、動画が……)。

    2007年11月25日 19:09:02 投稿
    【オリジナル】「輝く希望の謳」を初音ミク,KAITO王子,MEIKO姉に(ry


    こういうキャラ付けがされて、今のギャグ担当キャラとしてのKAITOがいるわけなんですね。
    もちろん、「何の悩みもなさそうな声で、童謡を上手に歌う」というVOCALOIDとしての基本性能が、あってこそのアイス定着なんでしょう。

    VOCALOIDの歌声の元の人が話す動画紹介

    時に「中の人」ともいわれる、日本語版VOCALOIDの声の元となった人はそれぞれこの方々です。

    MEIKO 拝郷メイコさん
    KAITO 風雅なおとさん
    初音ミク 藤田咲さん
    鏡音リン・レン 下田麻美さん

    それぞれの代表的な曲は、楽天等で検索できます。

    この前友人にブラインドテストした時、それがミクの声優と知らずに、藤田咲さんの歌声を聴いて「やはり、人の声はやわらかいね。このあたりがミクの理想型なんだろうな」と、いいました。理想型というか、原型ですよね。
    藤田さんの歌声は初音ミクに、イメージが近いのかもしれません。
    リンの歌声は、下田さんの歌声に近いですが、少年声のレンは、普段の歌声とはずれますよね。

    プロの歌手の方は、曲によって歌い方をかえるので、曲によってはVOCALOIDとイメージがかなり違います。
    拝郷メイコさんのどれどれの唄を聞くと、MEIKOのイメージとは結構違います。
    風雅なおとさんのメガレンジャーの歌声は、KAITOには出なそうな声です。

    ですが、声のモデルとなった人が話しているのを聞くと、歌声以上に、ああこの人がのKAITOの元になった人か、とか思うので、今回は声のモデルの人の話し声が聞ける動画を紹介します。

    まずは、拝郷メイコさんの公式サイト。おしゃべりと歌が無料で聞けます。
    http://www.haigoumeiko.com/
    VOCALOIDのMEIKO姉さんが、庶民的で明るくて強気な人扱いされるのが、しゃべりを聞くと、なんとなく納得できます。

    藤田咲さんと下田麻美さんのインタビューです。VOCALOID関連の、面白い話が聞けます。
    初音ミク・鏡音リン・レン 中の人インタビュー


    風雅なおとさんが、男性のための、歌謡曲用の、裏声を出し方を指導してくださるテープを元にした動画です。
    72分ありますが、全部聞くと、時々とってもKAITOに聞こえる声が入っていたりして、楽しい動画です。
    【風雅なおと】KAITOの中の人が指導する裏声レッスン【基本編】


    レッスンテープは、ここで買えます。

    裏声トレーニング 男声編

    こんなテープもあります。
    森山直太朗『さくら』で男声裏声術を手に入れよう!

    「男性がいかに美しく高い声を出すか」が、これらのレッスンのテーマです。
    そこからわかることは、風雅なおとさんはとりわけ、高い声を得意とする男性歌手だということです。
    この特徴が、KAITOにも受け継がれているから、KAITOは、高い声がきれいに出る、男性のVOCALOIDなのでしょう。

    KAITOがニコニコ組曲を歌うまで。あるいは機械の憂鬱

    合成音声の特徴を考えるため、VOCALOIDの歌声を他の合成音声ソフトと比べていたら、なんか「ニコニコ組曲」集になりました。

    ニコニコ組曲とは、ニコニコ動画内で有名な、アニメやゲームの音楽をつなぎあわせたMAD動画を元にした、メドレー曲です。替え歌の歌詞も、多くの種類があります。これを人間が歌ってみたり、合成音声に歌わせるのが、ニコニコ動画ではよく行われる「遊び」です。

    それではまず、初音ミクがまだ発売されていなかったころ、最初に発売されていたVOCALOID、MEIKOのバージョンでお聞きいただきましょう。

    2007年07月28日 04:32:57 投稿
    組曲『ニコニコ動画』 ver. VOCALOID with 合成音声s


    次に、発売日:2000-11-のLaLaVoiceの歌声を紹介します。
    これは、テキスト読み上げソフトですが、音符入力が可能なので、歌わせることもできます。東芝のパソコンの中に、最初から入っていたそうです。

    2007年08月06日 13:14:28 投稿
    俺のdynabookが組曲「ニコニコ動画」を歌い始めたんだが


    KAITOの歌声が、「槇原みたい」と時々いわれますが、LaLaVoiceの歌声も槇原っぽいです。槇原さんの歌い方が、一文字一文字はっきりと発音する歌い方だからでしょう。
    日本語の男性の合成音声の特徴というものが、どうもあるみたいです。

    この当時、KAITOは発売されて一年経っていたはずなんですが、KAITOの組曲がニコニコ動画にUPされるのは、この5か月ほど後のことです。

    次に、合成音声で、好きな歌詞を歌わせることのできるPS2のソフト「くまうた」の歌声を紹介しましょう。くまうたは歌詞は自由ですが、曲はソフトが勝手に付けます。

    くまうた公式サイト
    http://www.jp.playstation.com/scej/title/kumauta/

    2007年09月12日 23:05:06 投稿
    くまうたに『組曲「ニコニコ動画」』を歌わせてみた


    ミク等の他のVOCALOIDは組曲『ニコニコ動画』を歌っていたのに、それまで歌っていなかったので、以下の動画で「KAITOは引きこもり兄さん」と、ニート扱いを受けていました。

    2008年01月01日 19:20:54 投稿
    VOCALOID4人+オマケで組曲『ニコニコ動画』合わせてみた


    というわけで、新たにKAITOを買った人が、この長い曲を早速歌わせました。

    2008年01月19日 22:29:15 投稿
    【KAITO】組曲『ニコニコ動画』を歌ってもらった


    この歌声を合成して、合唱動画がつくられました。

    2008年01月21日 20:03:53 投稿
    今度こそ『VOCALOID5人』で組曲『ニコニコ動画』合わせてみた


    おめでとう、KAITO兄さん。

    ではここで、さっきの組曲ではうまく比較できなかった、「くまうた」とKAITOの比較を同じ曲でしてみましょう。
    くまうたはVOCALOIDオリジナル曲を歌えないが、その逆は可能ということで、この選曲です。

    2007年09月15日 19:14:19 投稿
    くまうた(41) 『樹海へゴー!』 唄:白熊カオス


    2008年02月27日 08:46:28 投稿
    【KAITO】樹海へゴー!を歌ってもらった【\(^o^)/】


    KAITOって、歌うまいですね。
    二万円近くする、歌唱専用ソフトウェアに対して、失礼な感想ですが。

    ということで、合成音声の特徴についてですが、
    「LaLaにしろ、KAITOにしろ、曲によってはすごくやる気がなさそうに聞こえる」ということです。
    くまうたも「哀愁は仕様です」と言い放つために、演歌なんじゃないかと思いますが。くまうたは、曲を限定することで、問題を回避しています。

    まあ、基本棒読みですから「疲れているのか?」「鬱な気分なのか?」「空腹なのか?(KAITO専用)」と、聞いている側が心配になるような音声になるのは仕方がありません。人間が棒読みになるのは、そういう時です。機械が棒読みになるのは、性能の問題ですが、人間はそこに「無気力さ」を聞き取ります。前回紹介したKAITOの歌声にも、曲によっては哀愁漂うものがありました。

    KAITOが「ヘタレキャラ」や「ニート」扱いされた理由のひとつは「男性の合成音声は基本的に憂鬱そう」という原因もあったんじゃないかと思います。

    ちなみに、歌声から判断する限り、KAITO、くまうた、LaLaの順に、声のモデルとなった人が音楽的な意味で、のどを鍛えていると思います。ソフトの用途、発売時期、値段から考えて、当たり前なんですが、聞き比べてみると素直にそう感じます。
    KAITOは、母音の発音がなめらかで美しいのです。
    ああーいうぅえおーってな歌詞を歌わせると、間違いなく美声。
    アナウンサーの場合は、ニュースの聞き間違いがないように、子音をはっきりと発音することは重要なので、カ行やサ行などはLaLaがやはり優秀です。歌うとなんかカサカサしますが、しゃべらせると、おだやかで聞き取りやすい日本語です。
    LaLaの声のモデルがどなたかは存知ませんが、プロの声だと思います。
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