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    『星のカービィ』「第25話 エスカルゴン、まぶたの母 」の元は『一日だけの淑女』

    2002年に放映されたアニカビの元ネタを、1933年の白黒映画まで69年さかのぼる。
    ひかわカービィの「弟が訪ねてくるので、ポピーが一日だけ大王のふりをする」やアニカビの「エスカルゴンの母親がたずねてくる」話の元ネタの映画『一日だけの淑女』について。

    『一日だけの淑女』とは

    アニカビに関して、こんな話を何度か聞いたことがある。
    「エスカルゴンのおっかさんが訪ねてくる回は、ひかわカービィのポピーの弟が訪ねてくる回のパクり」
    実は私も最初そう思っていた。ただ、似たような話がひかわカービィより前に出版された、吉川惣司監督のノベライズにあるのでひっかかっていた。
    しかし、脚本家の會川昇先生のツイートで、「手紙で嘘をついていたが、実際に身内が訪ねてくるので、慌てて一芝居打つ」パターンの元がキャプラ監督の映画だと知った。
    https://twitter.com/nishi_ogi/status/1012365434316730368
    フランク・キャプラ監督の『一日だけの淑女』(1933年)は貴族との結婚を控えた娘が婚約者とその父と会いに来るので、貧しい母親が周囲の協力で貴婦人のふりをする映画。原作は米国のデイモン・ラニアンの短編小説。彼は3度アカデミー監督賞を受賞した名監督だ。三谷幸喜氏が好きな監督でもあるらしい。
    なお、似た話として、若い娘を貴婦人に仕立て上げて、上流階級の人たちをだます、バーナード・ショーの戯曲『ピグマリオン』(1913年)がある。これが映画になって『マイ・フェア・レディ』(1964年)だ。

    また、縁談をまとめるため、一芝居するという点では『ラ・カージュ・オ・フォール』(1973年)も近い。
    幸いなことに有名映画で、今でもお安くDVDが買えたので『一日だけの淑女』を視聴した。

    間違いなく、これだ。
    『一日だけの淑女』はフランク・キャプラ監督がセルフリメイクして、カラー映画『ポケット一杯の幸福』(1961年)になっている。

    これをもとにジャッキー・チェン主演監督の『奇蹟/ミラクル』(1989年)が作られた。こちらも評判の高い映画である。


    「エスカルゴン、まぶたの母 」と「ポピー、プププランドの大王になる!?」

    「ポピー、プププランドの大王になる!?」は『星のカービィ デデデでプププなものがたり』の三巻に収録されている。単行本の発行は1996年。
    アニメ『星のカービィ』の25話「エスカルゴン、まぶたの母」(脚本は国沢真理子氏)の放映は2002年。これらだけ見ると、アニカビの方が後だ。
    しかし、ひかわカービィを読むまでアニカビの監督兼シリーズ構成の吉川惣司氏が『一日だけの淑女』のパターンを知らなかったという可能性はない。なぜなら、吉川惣司脚本の『ザ☆ウルトラマン』(1979年)の第18話「謎のモンスター島」が「科学警備隊の喫茶室に勤める女性が、正式な隊員だと父親に手紙で嘘をつく。だが、父親の住む地方の島に怪獣が出てしまい、隊員の制服を着て駆けつける」という話だからだ。ひかわマンガの17年前である。
    また、前述したが、吉川氏の小説『レンズマン2 バレリア星救出作戦』(1984年)にも「地方出身者が出世したと嘘をつく話」はある。

    「そこでたのみがある。ここのリーダーは……おれということにしてくれんか?」
    「なんだって……?」
    ソーンダイクが吹きだした。
    「なるほど、おまえはさんざん、ほらを吹いたらしい。」
    「もう引っ込みがつかないんだ。」
    大男はおがむように両手を合わせた。
    「なあ? バレリア人の夢をこわさんでくれよ、キム!」
    『バレリア星救出作戦』


    というわけで、別にひかわ版がなくてもアニメカービィに『一日だけの淑女』をパロった回があった可能性は高い。逆にひかわ先生が『一日だけの淑女』のパターンを見たのが、吉川脚本のアニメという可能性も1パーセントぐらいはあるかも。まあ時代劇とかでも散々パロられてそうだけど。ちなみにあらすじ自体に著作権は発生しない。

    では、「まぶたの母」と「ポピー、プププランドの大王になる!?」は、単に同じ『一日だけの淑女』を基にした話だから、似ている、ということなのだろうか。
    実は謎が残っている。
    『一日だけの淑女』は架空のレディになる話で、実在の人物の名を騙ったりしない。そこは『マイ・フェア・レディ』に似ている。マーク・トウェインの『王子と乞食』(1881年)のような「入れ替わり」はない。
    つまり、デデデ大王が道化や従者扱いされる面白さみたいなのは、元祖にはない。被害者がいないのはいいことだ。しかし、ポピーシニアもエスカルゴンも、主人の地位をかたっている。『パタリロ!』のどこかに「ペンパルが訪ねてくるので、王様のパタリロが美形の従者と入れ替わり、こき使われる」という『王子と乞食』な話があったんだが、これらはどこで派生したんだろう。
    1979年の『ザ☆ウルトラマン』でも、「ムツミ隊員が代わりに喫茶室でコーヒーを入れるが失敗する」という入れ替わりギャグがある。
    また『一日だけの淑女』では、真実を明かす場面はない。周囲の協力でお芝居は成功し、娘とその婚約者と婚約者の父親の伯爵は、主人公の貧しい老女を貴婦人と信じてスペインに帰っていく。オリジナルはごくシンプルでハッピーなストーリーだ。
    ひかわマンガではカービィが「ポピーは大王じゃないよ」と無邪気にバラす。弟は「知ってたよ」とあっさり答える。
    アニカビではデデデに追い詰められたエスカルゴンが、「私は陛下の家来でゲス」と自白する。母親は「おまえが大王なんておかしいと思ってたんだよ」と笑って答える。
    芝居が成功したままだと、後でバレたりしないかと心配になるし、倫理的にもどうよ、ってことでこのパターンが出てきたのだろう。
    1979年の『ザ☆ウルトラマン』で、すでに「実は私……」「わかっていたよ」というような場面があるので、ひかわ先生が初めてひねったわけじゃない。

    おそらく『一日だけの淑女』から1979年の『ザ☆ウルトラマン』までの46年の間に、すでに「入れ替わり」や「身内は見抜いていた」という派生パターンが成立していたのだろうが、それはいつどこでなのかまでは、今回の調べではわからなかった。

    さて、『一日だけの淑女』を見た上で、アニカビのオリジナリティを語っておこう。
    それはデデデ陛下の意地悪さ。
    『一日だけの淑女』は「みんながいい人で、かわいそうな主人公に協力してくれる」人情喜劇である。意図的にお芝居をぶち壊そうとする悪役はいなかった。
    元祖のとおりだと、カービィがヒーローとして活躍する場面がなくなるからだろう。また、主人公の老女も手紙に嘘を書いたのは見栄だとしても、娘の結婚の成否を真剣に案じて嘘をつき通そうとする優しい母だった。調子に乗るエスカルゴンは、やや悪人よりのキャラクターだ。

    まとめ

    アニメ『星のカービィ』「第25話 エスカルゴン、まぶたの母 」と『星のカービィ デデデでプププなものがたり』の「ポピー、プププランドの大王になる!?」の話の元はともに白黒映画『一日だけの淑女』である。ただ、おそらく直接ではなく、間にいろいろな作品が挟まっているだろう。1947年生まれの吉川監督は、まだ白黒映画版を見た可能性が高いけどね。1967年生まれのひかわ博一先生はどうだろう。もっとも、それらを差っ引いてもよく似ているので、アニメスタッフがひかわカービィを読んだ可能性は高い。


    あとがき

    小学生がアニカビはひかわカービィのパクりと思ってしまうのはまあ、仕方がない。
    ただ、これは私も反省するところではあるんだが、元ネタは古典といえども名作映画でリメイクもされているので、パクリと断言すると映画を知らないと思われてしまう。だから、もし過去にそういう発言をしちゃった人がいたら、こっそり消しておくか補足することをお勧めする。
    誤解されるようなことをしたアニカビ側が悪いっていう人もいるかもしれないが、そんなことを言い出したら二次創作で「どこかで見たような話」とか書けなくなるだろう。
    マンガ連載もテレビアニメも、次々に話を書かないといけない。それに、アニカビ以降のカービィマンガはひかわ版もふくめて、アニカビの影響らしき話や描写が多いしね。
    『星のカービィ』にだけ詳しくても、カービィについて理解できることは限られる。
    例えば、カービィのコピー能力についてだが、コピー能力を持つ最も古いキャラクターは私が知る範囲ではアメコミの『X-メン』のローグだ。彼女は1980年代ごろに登場している。
    『ドラゴンボール』もそうだけど、日本のアニメやマンガについて調べていて思うのは、ハリウッド映画やディズニーなどの米国文化の影響の強さ。アニメオタクたるもの、神話とハリウッド映画に詳しくないと、というのは今では流行らないのかもしれないが、神話と古典が元ネタの作品自体は今でも流行ってる。FGOとかな。

    実のところ、「真実は埋もれるもの」なのだろう。自然科学ならまだしも。大量にマンガアニメゲーム作品が作られる中で、古典は忘れ去られ、先輩方も去る。
    今回は運がよかった。
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    誰が『星のカービィ』アニメ化のお金を出したのか?

    「このアニメは誰の金で作られたのか」は、ビジネスとしては重要ポイントだが、あまりアニメをファンやアンチが語るときに注目されないポイントである。
    ある程度までは自明だからか、現時点で突っ込んでいる人がいなさそうだったので、推測ながら書いておく。

    著作権表示を読む

    アニメ放映中なら「提供は〇〇。ご覧のスポンサーでお送りしました」を見ればわかるけど、そこはDVDや再放送ではカットされる部分だから、今では詳しいことはわからない。
    まあ、まずは任天堂。次にショウワノートなどグッズ会社の面々だろう。

    VHS版の著作権表示はこうなっている。

    (c)Nintendo/ HAL Laboratory, Inc. KB03-0595 (c)Nintendo/ HAL Laboratory, Inc.・CBC



    星のカービィ 3rdシリーズ Vol.10 (通巻24巻) [VHS] 株式会社ポニーキャニオン

    著作権者すなわち出資者ではない。だが、原作者でないCBC(中部日本放送)の名があるという事は、CBCも何らかの形で、金銭的な負担をしているものと思われる。
    アニメ制作会社である「ア・ウンエンタテインメント」の名は、著作権者として記されていない。出資者でもないのだろう。
    前半のKBはカービィグッズとしてのナンバリングである。どうして二重に著作権表記がされているのかはわからないが、おそらくグッズ化の権利は任天堂が持ち、映像ソフト化や放映の権利はCBCも持っていたのではないだろうか。キーホルダーなど、アニメ版のカービィグッズの著作権表記は(c)Nintendo/ HAL Laboratory, Inc.で、CBCの名は記されていない。だから、『あつめて!カービィ』のようなソフトも作れたのだろう。こういう契約なら、ハル研と任天堂の一存で、エスカルゴンをゲームに出せる。他の会社が絡んでいると、許可を得る手間がかかる。
    しかし、アニメ本編を収録している『星のカービィ 20周年スペシャルコレクション』では、著作権表記は(c)1992-2012 HAL Laboratory, Inc./NintendoでCBCの名はない。ゲームとして流通させるのなら、アニメ丸ごと使っても著作権的にOKというなら、アニメの分の権利もこの時期には任天堂とハル研究所にあったのだろうか。
    なお、VHSには著作権表記の他に「発売元:エイベックス株式会社 販売元:ポニーキャニオン」とある。

    デデデ大王 「ワシがアニメを作る一番偉い人、プロデューサーぞい」
    ハニー   「お金、自分で出したの?」
    デデデ大王 「えっ? 」
    エスカルゴン「えへへ、もらっただけ……」
    49話 「アニメ新番組 星のデデデ」より


    このアニメ自体がアニメ会社の資金ではなく、スポンサーの資金で作られていることを考えたら、この部分もメタネタなんだな。

    当然だけど「原作者が全部出資して、アニメ会社が作る」と「原作者は許可を出すだけで、アニメ会社が自社の資金で作る」では、原作者側の発言権に大差がある。もちろん中間の「原作者側がある程度出す」というのもある。多くのジャンプマンガのアニメ化の場合は、著作権管理者兼スポンサーとして、集英社がある程度出してるだろう。ジャンプ関連のCMが挟まれていることが多い。
    かつてジャンプ編集者の誰かが「アニメ放映中というのが、マンガ作品の最大の宣伝」と述べていた記憶がある。
    また、虫プロは基本的に自社の資金(手塚治虫先生のマンガ家としての収入)だったが、お金が足りなくなって、映画会社に前借などもした。
    逆に『ハウルの動く城』のように原作が外国の小説の場合、作家側が出資している例はほぼないだろう。これは許可を出して、著作権料をもらうという話になる。
    法律上は、原作者には気に入らない二次著作物を差し止める権利があるが、ビジネスとしてはアニメ会社側が銀行などから借金して制作が進んだ後で「やっぱ、ダメ」というのは、まあ、もめるだろう。
    原作が超有名作品だと、出資者でなくても著作権者が超強気だろうとは推測できる。しかし、この時点のカービィは「アニメ化すれば、確実に制作資金が回収できる」といえるほどの知名度はなかっただろう。だから、アニメを作ったようなものだし。


    なぜ小さい会社が選ばれたのか

    「アニメ化の話は今までにも、実はいくつかあったのですが、断ってきたのです。 今回はクオリティーに対して確信が持て、新しいことも出来そうだということでアニメ化を決意しました。
    (中略)
    アニメとしてチャレンジの一つは、主人公であるカービィがしゃべらないということです」

    アニメ『星のカービィ』公式サイトより
    https://hicbc.com/tv/kirby/great/game/index.htm



    他のアニメ会社は「主人公がしゃべらないアニメを作ってください」という注文に難色を示したんだろうか。RPGやアクションゲームなら普通のことがアニメでは難しい。
    どの会社を断ったかの話は、今後も表に出ないだろう。
    クオリティの話では、よく動くアニメが作られたので、無名ながらアウンの技術の高さは見ればわかる状態だったのだろう。

    「任天堂は主導権を握るために、あえて小さいアニメ会社を選んだ。ハル研究所もそれならと納得した」という推測もできるのではないか。「いい話を持ってきたのが、たまたま小さい会社だった」みたいな可能性もなくはないが。例えば、東映とかサンライズとかジブリがアニメ化したら、天下の任天堂とはいえ、主導権とられそうだよな。自分が主導権を握れる選択をするのは、別に悪いことではない。
    例えばスマートフォン向けRPG「Fate/Grand Order」は、TYPE-MOONとディライトワークスによって開発された。TYPE-MOONの奈須きのこ氏は、ディライトワークスを選んだ理由について、こう述べている。

    奈須氏:
     当時はなかなか制作会社が決まらず,二転三転したあとに紹介されたのがディライトワークスの庄司さんです。当時は庄司さんも独立したばかりで,互いにまだ未来が不安定な立ち位置でした。その代わり,“しがらみ”がまったくないのは強みだろうと思ったんです。胸を張って言えることじゃないんですが,僕らは納期よりもクオリティを重視してしまうタイプですので……そういった姿勢でも頭ごなしに否定せず,やり取りができるような会社が必要だったんです。

    梶田氏:
     なるほど。対等な立場で付き合えることを重視した結果ということですか。そのあたり,ファンからしても謎が多い部分ではあったんですよ。「Fate」という巨大なコンテンツを,ほとんど実績のない開発会社に任せるというのは容易な決断ではありませんよね?

    奈須氏:
     僕らの芸風をおおらかに理解してもらえる方でないと,互いにうまく機能しないのでは,という思いがありました。TYPE-MOONは締切よりも自分たちの納得感を優先する会社で,そんな連中と大企業さんが付き合うと相手方がノイローゼになっちゃうんじゃないかって。

    マフィア梶田が切り込む「Fate/Grand Order」。奈須きのこが追求する理想と,やがて迎える終焉のカタルシス
    https://www.4gamer.net/games/266/G026651/20181228023/


    任天堂は普段から「小さなゲーム会社に資金を援助して、その後利益を回収」というビジネスを行っているので、その点では小さなアニメスタジオを選んだのも通常運転である。
    「任天堂が資金を出してくれたので、あのゲームの続編が作れた。ファンはどうしてハードを変えたんだと聞くけど、前のハードの会社がお金出してくれなかったから」というような話がある。




    プラチナゲームズ神谷英樹( @PG_kamiya )氏が改めて説明する「ディベロッパー(開発会社)」とは
    https://togetter.com/li/1207143

    いやあ、カービィとポケモンとベヨネッタに、金を注いだ任天堂は賭けに勝ったよね。おそらくお金を出したけど、上手くいかなかったケースも多々あるのだろうが。
    ビジネスとしては出資はむしろ正義なんだけど、ゲーム雑誌のインタビューなどで公然といわれることではないだろうから、アニカビは誰のお金で作られたかの明確な裏付けが出てくる可能性は低い。
    ビジネスはギャンブルでレースだから、会社の大小で強者弱者はある程度決まれども、弱者すなわち被害者ではない。
    「大きな会社が資金を出して、小さな会社にゲーム制作を依頼したが、納期までに仕上がらず、ゲームがお蔵入りに」という場合なら、双方に言い分があるだろうな。

    他にアニカビは海外放映前提だったので、米国アニメに詳しそうな人が監督に選ばれたということもあるだろうが、この文章ではそっちは省略。

    ちなみに、任天堂はマリオのアニメ化に関しイルミネーションを選んだ理由を株主総会でこう説明している。

    宮本:当社は「ミニオンズ」、「怪盗グルー」シリーズ、最近では「SING/シング」や「ペット」といった作品を制作されたイルミネーションさんと⼀緒に映画を制作中です。このプロジェクトのプロデューサーであるクリス(Chris Meledandri)さんと私は、当社とユニバーサル・パークス&リゾーツさんとのお付き合いを通じて知り合い、⼆⼈で話を続ける中で両社のもののつくり⽅や考え⽅が⾮常に似ていることが理解できましたので、当社の「マリオ」を使ったアニメ映画を制作することで合意しました。今後のIP 活⽤については、単にライセンスするだけでなく、この映画制作のように、当社⾃⾝がコンテンツの所有者となって利⽤の場を拡⼤させ、⼀つの新しいビジネスの軸を築いていこうとさまざまな取り組みを⾏っていますので、楽しみにしていてください。

    第78 期 定時株主総会 Nintendo Co., Ltd.
    https://www.nintendo.co.jp/ir/pdf/2018/qa1806.pdf


    なお、2017年の任天堂の株主総会でのやりとりは以下である。

    Q7 過去に制作したコンテンツの資産、特にゲーム以外でのコンテンツの活用についてお伺いしたい。例えば、『星のカービィ』は非常に人気が高いが、『星のカービィ』のアニメ版の映像コンテンツなどの過去の映像コンテンツは、Nintendo Switch やスマートフォンのデバイスへ有料配信すれば、投資効果を見込めるビジネスになるのではないか。映像コンテンツの戦略とあわせて、今後の見通しについて説明してほしい。
    A7 君島:
    任天堂IP を活用した映像制作などへの関わりを強め、必要に応じて映像制作にも投資していくということは検討しています。(映像コンテンツを通して)任天堂IP に触れていただくお客様がますます増えていくことで、当社のハード・ソフト一体型のビジネスに、より多くのお客様を導いていきたいと考えています。

    第77 期 定時株主総会 Nintendo Co., Ltd.
    https://www.nintendo.co.jp/ir/pdf/2017/qa1706.pdf



    著作権表記を追う限り、著作権者は任天堂とハル研究所なのだから、アニメ版『星のカービィ』がオンライン配信やDVD化されないのは、アニメ会社の倒産とは直接関係がない。アニメ会社が権利を持って存続していたら、自社の利益と名のために配信しようと著作権者と交渉したかもしれない。
    アニカビのDVD化の要望を出すならここだということを、任天堂の株主総会で質問した人は思ったのだろう。まあ一般ユーザーとしても、いうならそっちであろう。実現しなくても、背景にアニカビキャラ出演ぐらいのサービスはあるかもね。

    まとめ

    事実として、アニカビの著作権はアニメを制作した会社にはない。
    他にも選択肢はあっただろうに、小さいアニメ会社が選ばれている。
    おそらく、アニメ制作会社は出資していない。
    このことから推測されるのは、「任天堂とハル研究所の側はスポンサー兼原作者という、強い立場でアニメ会社の側に注文ができた」ということである。

    アニカビはファンが面白いとたたえるにせよ、アンチが原作無視と批判するにせよ、おそらくその功績も罪も、なんとなく思うより根本的なところで、スポンサーの任天堂と著作権者のハル研究所と、監修者の桜井正博氏の責任に帰せられるのだろう。

    関連記事
    アニメ版『星のカービィ』は何のためにつくられたか
    http://powderblue484.blog40.fc2.com/blog-entry-145.html

    『星のカービィ』のキャラを16タイプ性格診断してみた

    『星のカービィ』のキャラを、16性格診断で自分なりに分類してみた。ゲームではセリフや日常の言動があまり描写されないので、正確にはわからない。人によって違う受け取り方があると思う。アニメはだいたいあってると思うが、そもそも人の性格があいまいなものだから、理解のヒント程度に考えてほしい。
    「自分の分析では違う」と思う人は、ブログ等で自分なりの考察をどうぞ。
    このジャンルでキャラの16性格診断をしてみる人が、複数いた方が面白い。

    このブログのコメント欄に書くのも歓迎します。ただ、荒らし対策で即時反映されない審査式なので、そこはご承知ください。
    それから、IとEが間違ってるとか、誤字脱字を発見された場合もお知らせくださるとうれしいです。

    他ジャンルだが、この試みには先駆者が当然いる。

    キャラクター性格診断スレまとめ Wiki
    https://character-seikaku.memo.wiki/d/%a5%c8%a5%c3%a5%d7%a5%da%a1%bc%a5%b8
    ↑ここには星のカービィキャラはまだいなかった。

    16の性格診断とは、

    外向的か内向的か
    感覚か直観か
    感情か思考か
    決断か柔軟か

    で、人間の性格を分類するものだ。2×2×2×2で、16なんだ。
    まあ人間の性格だから「やや内向的」とか「とても内向的」とか幅があるので、同じタイプ同士でもかなり差がある。
    INFPと省略して書かれるとわかりにくいが「内向的で直観的で感情的で柔軟な人」というと漢字の力で何となく理解できるかも。

    ゲーム『星のカービィ』のキャラ

    ゲームのカービィシリーズの方はセリフがないので、よくわからない。ぶっちゃけゲームによって、外向や内向が分かれるキャラとかいそう。


    カービィ

    カービィの性格はユーザーが好きに決めていいだろう。

    バンダナワドルディ

    「内向、感覚、感情、決断(ISFJ)」
    優しく控えめで、実務的な人物であると考えると、これかな。忠誠心が強く、ひたむきなタイプ。

    ISFJ サービスマン『性格診断セブン』
    http://seikaku7.com/16seikaku/isfj.php

    「りんごのじゅーす♪」のように、成長したいと望んでいるという点では、直観的なので、INFJかも。これだと責任感のある理想家で、幹部候補っぽい。

    「INFJ 信念を持った理想家」『性格診断セブン』
    http://seikaku7.com/16seikaku/infj.php

    デデデ大王

    桜井デデデ

    「外向的、感覚的、思考型、柔軟(ESTP)」冒険家タイプ。

    明るいムードメーカーである点で行動はESFPと似ているが、あまり空気を読まず、自分の欲望に忠実なところでESFPと大きく異なる。そのため、一種の天然キャラとして扱われることも多い。
    http://character-seikaku.memo.wiki/d/ESTP%a1%ca%b5%af%b6%c8%b2%c8%a1%cb%a4%ce%a5%ad%a5%e3%a5%e9


    桜井正博氏のデデデ大王はこんな感じかな。
    アニメ版デデデ「ENTP(外向・直観・思考・柔軟)」とどこが違うかというと、「直観か、感覚か」だと思う。
    アニメ版は「今のプププランドを(自分に都合よく)変えたい」という方向にやる気があるけど、ゲーム(桜井版)は「今の世界を守りたい」という方向にやる気を見せる。
    初代は別にして、「夢の泉」と「亜空の使者」のデデデは、「現実の危機」に対応している。強引な手段はともかく、リアリストなのでは。
    「デデデは優秀なリーダーだが、カービィの能力が桁外れ」なら末尾はたぶんJ判定。
    「デデデは優秀なリーダーだが、やや詰めの甘いところがある」なら末尾はP判定だ。
    で、桜井氏のコミカルな描き方だと後者のような。

    星のカービィシリーズの時は、桜井氏はデデデの性格(役割)を回ごとに変えていた。
    初代は敵、夢の泉では意見の異なる味方、グルメレースではライバル。だから、もし桜井氏の手によって、カービィシリーズが作られ続けていたら、デデデの性格はさらに変わっていたかも。
    そういうことで、分析が難しいところもある。


    下村デデデ

    主体的に行動していないから、判定が難しい。
    「外向、感覚、感情、柔軟(ESFP)」かな。
    「内向、感覚、感情、決断(ISFJ)」かもしれない。

    外向か、内向か、という最初のところがまず微妙。
    デデデ大王というキャラクターは、「外向的」だろうと思う。しかし、星のカービィ64のみで分析するなら、「やや内向的」という判定もありうる。こう、意地っ張りで他人と距離を置く感じが。その代わりに64カービィが外向的で見ず知らずの他人とガンガンかかわっていく。64のグループのリーダーは、デデデじゃなくカービィの気がする。
    普段の行動が「気まぐれ」なのか「まじめ」なのか、非常事態の行動だけではわからない。
    拾ったクリスタルを「これは俺様のもの」ってしただけだから、他のデデデよりまじめで繊細な印象を受けるんだよね。

    ゲーム中の役割的にはISFJ(組織人や擁護者といわれる)ではなかろうか。

    心から他人を優先し、親切な人には必要以上に親切な心で接し、正しいと思う作業には情熱的に取り組み、信じる人々には広い心で接します。
    https://www.16personalities.com/ja/isfj%E5%9E%8B%E3%81%AE%E6%80%A7%E6%A0%BC




    熊崎デデデ

    「外向的、直観的、思考型、柔軟(ENTP)」ではなかろうか。
    これだとアニメ版と同じになってしまうが、熊崎デデデは特にUSDXの「大王の逆襲」
    などの初期、アニメ版と下村版と桜井版のミックスっぽい。後継者として、まじめにがんばってる。
    熊崎デデデしかやらないようなことって、「ミニデデデを増やした」とかかな。そこはちょっと内向的な印象。
    あまり「リアリスト」という印象はなく、ちょっと夢見がち。マホロアに親切にしたりと、やや共感的かな。


    ゲーム版 メタナイト

    桜井メタナイト

    「内向的、直観的、思考型、決断(INTJ)」

    孤高の人で部隊は少数精鋭という印象があるので、内向的とした。現在を否定する革命家で、大局を見ている。厳しくて計画的な印象がある。

    「INTJ アイデアマン」『性格診断セブン』
    http://seikaku7.com/16seikaku/intj.php

    部下への情愛を重視するなら、INFJ(自分の価値観を大切にする理想主義者)かな、と思う。逆襲のメタさんがこれっぽい。
    http://www.ohvas.jp/contents/guide/seikaku/infj/

    世間の目を開かせるために自分は戦っているという誇大妄想にとりつかれている。
    主張は過激だが人間的には人格者である事が多く、罪は全部自分がひっかぶるという覚悟をしている。
    http://character-seikaku.memo.wiki/d/%a5%bf%a5%a4%a5%d7%ca%cc%a4%ce%b0%ad%cc%f2



    ゼネラルディレクターは、桜井 政博氏、ディレクターは下村 真一氏の、『星のカービィ 夢の泉デラックス』のメタナイトは、桜井メタナイトなのか、下村メタナイトなのか迷うな。
    「強くなるために修行の旅に出た」ということで、「内向的、感覚的、思考型、柔軟」で、ISTPでは。
    http://seikaku7.com/16seikaku/istp.php

    熊崎メタナイト

    「内向的、直観的、思考型、柔軟型」のISTPでは。
    少数精鋭の部下達以外とのエピソードもさほどないし、内向的なのでは。理想家という意味でロマンチスト。思考タイプ。長期的な計画があるのかどうかわからず、何かあると参戦してくる印象。
    また、メタナイトの「最強の敵と戦いたい」という望みから、ギャラクティックナイトが召喚されたという、USDXのエピソードを見る限り、ISTPかISTJだな。自分の可能性を追求している印象があるので、柔軟な生き方をするPかな。ある意味、不器用な人かも。

    ESTP, ISTPの悪役は、スリルが大好きであり、「自分を打ち負かすような最強の敵に会いたい」というサイヤ人的な思考回路をしている。
    http://character-seikaku.memo.wiki/d/%a5%bf%a5%a4%a5%d7%ca%cc%a4%ce%b0%ad%cc%f2



    人生を生きたいと願った。違う人生を。毎日、同じ場所に行き、同じ人々と会い、同じ仕事をしたくはなかった。興味深い挑戦が欲しかった。
    — ハリソン・フォード
    https://www.16personalities.com/ja/%E6%80%A7%E6%A0%BC%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%97



    (ISTJの男性は)向上心が高く、自分に対して高い目標を与えます。知識の習得も積極的で、より多くのことを知ることに喜びを感じます。根が完璧主義なので、どこかで満足するわけではなく、死ぬまでどん欲に上を目指します。
    https://www.ohvas.jp/contents/2016/06/intj.php




    ☆同じタイプと思われるキャラクター

    平和島静雄(ISTP)
    http://character-seikaku.memo.wiki/d/ISTP%a1%ca%b5%bb%c7%bd%bc%d4%a1%cb%a4%ce%a5%ad%a5%e3%a5%e9


    メタナイトまとめ

    理想高き剣士、として考えるとISTPかな。


    マホロア

    「外向、直観、思考、決断(ENTJ)」
    外面が良く、己の現実を肯定せず、計画的で、かなりなところまでその計画を成し遂げたということでこう分析した。

    ENTJ男性の性格診断結果
    https://www.ohvas.jp/contents/2016/06/entj.php


    ハイネス

    「内向、直観、思考、決断(INTJ)」
    顔を隠していることといい、カルトの教祖の系統だとは思うが、もし、彼の教団?のメンバーが多数なら外向的で、マホロアと同じくENTJといえそう。

    自分の望む新秩序を作り上げ、世界を支配または破壊するために、綿密な計画を練るタイプの悪役である。
    悪の組織のカリスマ、他の悪役を支配するラスボス、黒幕として君臨している事が多い。
    http://character-seikaku.memo.wiki/d/%a5%bf%a5%a4%a5%d7%ca%cc%a4%ce%b0%ad%cc%f2



    ☆同じタイプだと思われるキャラ

    ドラゴンボール のドクター・ゲロ

    アニメ『星のカービィ』のキャラ

    カービィ(判定不能)

    いきなり判定不能だが、性格を明確にしないために、しゃべらせていないようなものだからな……。
    強引に判定するなら、内向的で情緒的で柔軟なのではないかと。
    それで直観的(隠された真実に気づく)なら、INFP。
    五感でとらえられるもの(目の前の現実)を重視するタイプなら、ISFP。


    フーム ENTJ“リーダー”外向的、直観的、思考型で決断が速い。

    外向的な人、というと外向的感情型の「いつもパーティで盛り上がっている人々(パリピ)」をイメージしがちだが、外向的思考型の「外向的」はちょっと違う感じだ。
    バルコニーで演説とか、バリケードの前で演説とか、そういう盛り上がり方。
    フームはこのタイプだと思われる。

    指揮官型の人達は、天性の指導者で、生まれ持ったカリスマ性や自信、権威を示しながら、共通の目標に向けて人々をひとつにまとめます。
    https://www.16personalities.com/ja/entj%E5%9E%8B%E3%81%AE%E6%80%A7%E6%A0%BC



    フームは少女ながら実質的に正義側のリーダーなのだ。

    ちなみにこのタイプがアメリカでは一番平均所得が高いそうだ。さもありなん。日本はあまりリーダーの所得が高い印象がないが、日本のデータはないのだろうか。

    最も高い「ENTJ型(主導権を握るリーダー)」と、最も低い「INFP型(理想を追い求めるアーティスト)」では約2万3000ドル(約250万円)もの差があるという結果が出ていました。
    https://www.motivation-up.com/whats/16type_income.html



    所得では「外向>内向」「思考>感情」「決断>柔軟」という傾向がある。ちなみにデデデ陛下がそれだと思われる、ENTPは平均所得が下から二番目なのだ。あの借金は気まぐれな性格のせいなんだろうな。


    ブン 

    「外向、感覚、思考、柔軟(ESTP)」
    外向的、感覚的で、考えて判断する。
    割と辛辣だし、自分の考えもいうので、どちらかといえば思考型なのではなかろうか。
    すぐに決断するか、気分でなんとなく決めるかで、ESTJ “責任者”かESTP“冒険家”に分かれる。
    友人も多く、目の前の現実を変えようって気持ちも姉ほどはなく、割と辛辣で、いたずら好き。
    その日その日の楽しそうなことに首を突っ込むからESTP“冒険家”かもしれないが、カービィを助けようとしたり責任感の強さも感じられるのでESTJ かも。
    ブンはいたずらっ子のリーダーだが、成長して村の若者のまとめ役とかになってそうでもある。

    見る前に飛び込み、自分の過ちに対しては行く先々で修正し、何もしないでいることも、代替案や責任逃れのための布石を準備することもありません。
    https://www.16personalities.com/ja/estp%E5%9E%8B%E3%81%AE%E6%80%A7%E6%A0%BC



    よく冒険に出かけたり、いたずらをして周囲を騒がせるけど、友人も多い。アニメの主人公としては、そこそこいそうな感じ。


    デデデ陛下 

    「外向的、直観的、思考型、柔軟(ENTP)」

    目立ちたがり屋で多くの他人を巻き込んだ騒動を起こす、という点で外向的。
    思い付きや新しいものを重視するという点で、直観的。
    喜怒哀楽は激しいが、他人の感情に共感することはあまりない。割と小難しいことをしゃべるし、計画性がある。感情型よりは思考型であろう。柔軟といえば聞こえはいいが、行き当たりばったりという欠点として表れがち。

    たぶん、デデデ陛下がフームに負ける理由は、一言でいえば「雑だから」なんだろうな。もし、デデデが親から王位を受け継いだのではなく、豊臣秀吉のように一代でなりあがったのなら、若いころはENTJだったか、誰かのサポートがあったんだろうと思う。

    まだ前のことが終わってないのに、次々と新しいことに手を出そうとして、周囲の人たちをザワつかせるようなこともあるでしょう。
    https://www.motivation-up.com/whats/16_entp.html


    毎週新たな悪事を企画立案し、実行するタイプの悪役はこうならざるをえない気もするな。

    世の中に混乱を起こし、人々が苦しみ惑う様を見て楽しむ愉快犯。
    その場その場のアドリブやひらめきが優れており、何度負けてもあの手この手で主人公達に立ち向かってくる。
    NTJ系の悪人と同様計画的で頭脳明晰なのだが、子供っぽさを残しており気まぐれなことが多い。
    よく使う台詞は「もう飽きた」。
    http://character-seikaku.memo.wiki/d/%a5%bf%a5%a4%a5%d7%ca%cc%a4%ce%b0%ad%cc%f2


    アニメの後期OPのパンドラの箱を開けて、災厄がこの世に巻き散らかされるのをすごーく楽しそうに見ている陛下は、これだよな。

    ☆同じタイプのキャラクター

    ばいきんまんと、デデデ陛下とルパン三世は同じENTPだそうな。
    ちなみに『ルパン三世 ルパン対クローン』の監督とアニカビの監督は同じだ。

    ENTP(発明家)のキャラ
    https://character-seikaku.memo.wiki/d/ENTP%a1%ca%c8%af%cc%c0%b2%c8%a1%cb%a4%ce%a5%ad%a5%e3%a5%e9


    メタナイト卿

    普段のメタナイト卿はINTP“戦略家”だろう。
    完全無欠を求める者であり、また、思わぬ方法で事態を解決に導く。探偵キャラ。

    INTP頭脳的で孤独を好む理論家
    http://www.ohvas.jp/contents/guide/seikaku/intp/

    このタイプを一言で表すなら「まずは疑ってかかる頭脳派」となるだろうか。
    現実のスリルな体験と向き合うISTPと異なり、INTPキャラは椅子に座って思索にふけるタイプである。
    https://character-seikaku.memo.wiki/d/INTP%a1%ca%b7%fa%c3%db%b2%c8%a1%cb%a4%ce%a5%ad%a5%e3%a5%e9



    ナイトメアの支配を覆した、革命家としての側面を重視して分析するなら、「内向、直観、思考、決断(INTJ)」だろう。
    内向的である。目の前の現実ではなく、高い理想を見ている。考えて行動する。一万年前から計画していた。完璧主義者の戦略家だな。
    メタナイト卿の場合は、カービィにもこれを求めてるところがある。

    INTJ独創的なアイデアマン
    https://www.ohvas.jp/contents/guide/seikaku/intj/

    エスカルゴン

    「内向的、感覚的、思考型、決断(ISTJ)」
    「まじめな秘書」という点を重視して考えるとこうなる。

    内向的か外向的かというと、内向的だろう。リアリストである。理屈っぽく、皮肉屋である。仕事は計画的にやりたいと思われる。しかし、デデデ陛下に邪魔をされる。
    独自の研究に没頭しているなら、マッドサイエンティストとしてINTPあたりに分類するが、基本的にデデデの命令で動いている。

    安定と安全を求め、円滑な遂行を維持することを自らの義務としているがために、同僚や身近な人から、いつでも代わりを引き受けてくれると思われ、責任を擦りつけられる可能性があります。
    https://www.16personalities.com/ja/%E6%80%A7%E6%A0%BC%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%97



    しかし、エスカルゴンが若い時から安定と安全を求めるまじめな性格だったら、生まれたカタツムリの村でまずまずの暮らしをしていた気がする。
    やはり若いころは「王様を目指す放浪の発明家」ということで、典型的なINTP(変人)だったのではなかろうか。その二面性が、「まじめな秘書」で片付けられない個性なのかも。
    今でも「陛下に夢見がち」とか「アイデア豊富」な点を重視して考えるとINTJあたりが妥当なのかも。
    ちなみにINTJ女性は、典型的な教育ママだそうな。
    しかし、これだと今度は「革命家」メタナイト卿と同じになってしまうな。

    ちなみにデデデとの相性診断だとこうなる。


    ENTP型×ISTJ型の相性

    ☆☆ 管理的な関係
    この関係はENTPさんがISTJさんに対して管理的な立場になるアンバランスな関係です。 初期の段階は互いに魅かれる点も多い為、親友の様に仲の良い関係に発展します。 しかしある程度関係が発展すると管理的な関係が姿を現します。
    (中略)
    またISTJさんはENTPさんになにかしら認めてもらいたいと思っているのですが、ENTPさんはISTJさんに対してあくまで自分を超えない存在として見ているため、過小評価してしまいます。

    ENTP型×INTJ型の相性

    ☆☆☆☆ 相互訂正の関係
    通常の生活では意見は一致し問題も起きにくく、食い違った場合も、最終的には大きな問題にはならず、お互いがプラスになっていると感じられるとてもすばらしい相性です。

    https://www.ohvas.jp/contents/2016/06/entp.php


    どっちも言えてそうだな……。合わせて「やや非対称な相互訂正の関係」とかいうべきか。

    コックカワサキ 

    「外向的で、直観的で、感情的で、柔軟(ENFP)」“創作者”といわれるタイプでは。
    タイプ的には人懐っこくて庶民的なデデデ陛下かも。楽しげで挑戦の方向がおかしいダメ人間的なところが共通する。

    カワサキの料理がまずい理由は「感覚」ではなく「直観(発想)」を重視しているからでは。「ビールで煮込んだイチゴのリゾット」とか。「こういう料理があったら面白い」という考えで、「こうしたら美味しい」という感覚的な調整がされてないと。
    まあ本人が「通常と違う味を好む」感覚型の可能性もある。だけど、「ひらめき重視で仕上げが雑」なタイプだと推測している。

    「ENFP 好奇心豊かな社交家 」『性格診断セブン』
    http://seikaku7.com/16seikaku/enfp.php

    ワドルドゥ隊長

    「内向的、感覚的、思考型、決断(ISTJ)」
    上司におおむね忠実で、部下思いではあるけど、友人が多いタイプとは思えない。日々まじめにすごしていると思われる。
    しかし、これだとエスカルゴンと同タイプってことになるんだよね。どこが違うんだろ。デデデとの距離?

    誠実さと実用的な論理の持ち主で、義務にはひたむきに取り組み、数多くの家庭や、法律事務所や規制機関、軍隊など、伝統や規則、規範を重んじる組織において、かけがえのない存在になっています。
    https://www.16personalities.com/ja/




    解説

    自分がどのタイプか気になった人は、リンクを載せておくので診断してみよう。
    同じ人でもINTPやENTPなどと、診断するサイトによって差が出ることがあるが、その場合は質問数の多いテストの方を信用しよう。
    性格は変わるものなので、一年後とかは違う結果になったりもする。

    最初に人の性格を「内向」や「外向」といった形でわけたのは、心理学者のユングだ。
    オタクならユングの作った「集合的無意識」という言葉を、どこかで耳にしたことがあるかもしれない。ユングは『心理学的タイプ論』(1921年)で、人の性格を8タイプにわけた。それをもとに、アメリカのキャサリン・ブリッグズとその娘のイザベラが、16タイプの性格診断(MBTI)を作った。いまネットにある様々な16タイプ性格診断は、これを基にしている。
    16タイプの方は心的機能の訳語が統一されていなくて「情緒」と訳したり「感情」と訳したりしている。しかし、元となるユング心理学のタイプ論では四つの機能の訳語が統一されているので、「感覚・直観・感情・思考」とした。他は、主に『あなたの天職がわかる16の性格』を参考にしている。

    MBTIは、アメリカ心理学会が提唱するテストスタンダードの内、特別な知識
    を有し、訓練を施された人だけが扱えるレベルBの検査であり、スタンダードの
    ない日本においても、その取扱者には厳しい認定基準と倫理規定が施されている。
    『MBTIへのいざない―ユングの「タイプ論」の日常への応用』


    本来はこのように専門家が扱うものらしい。
    自分や知人の性格について16性格診断サイトで微妙な結果が出た場合は、「人の性格など簡単にわかるものではない」と思った方がいい。でも、星占いよりは的確だろう。

    参考資料

    16Personalities
    https://www.16personalities.com/ja
    https://www.16personalities.com/ja/%E6%80%A7%E6%A0%BC%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%97

    モチベーションアップの法則 16タイプ性格診断テスト
    https://www.motivation-up.com/whats/16type.html

    性格診断セブン
    http://seikaku7.com/16seikaku/

    婚活なら群馬で評判のオーヴァスジャパン
    見つかる婚活Premium
    https://www.ohvas.jp/contents/guide/seikaku/
    ↑自己診断するのは別サイトでやった方が良さそう。婚活サイトらしく、他のタイプとの相性に関する説明が細かい。

    キャラクター性格診断★16タイプ
    http://blog.livedoor.jp/character_seikaku/archives/5126561.html

    キャラクター性格診断スレまとめ Wiki
    https://character-seikaku.memo.wiki/d/%a5%c8%a5%c3%a5%d7%a5%da%a1%bc%a5%b8
    ↑「同じタイプと思われるキャラクター」に関してはここを参考にした。

    『あなたの天職がわかる16の性格』



    性格タイプ診断 from ユング心理学
    http://miztools.so.land.to/js-tools/diag/Jung.html
    ↑元となるユングの8タイプの性格分類について書いてあるサイト

    「タイプ論」について騙る(2)
               ――四つの機能
    http://www.geocities.jp/des_geistes/jung2.htm

    『ユング心理学入門』


    あとがき

    筆者はENTPぞい。気まぐれで考察してるぞい。INTPやINFPにも判定されるぞい。……おそらく推しと同タイプなことに、絶望したぞい。

    「デデデ大王になりたい」ある朝のNHKニュース

    NHKの関西ローカルの朝のニュースでデデデ大王の名前が出た。珍しいことだろうから、感想とともに記録しておく。出たのは名前のみ、ゲーム名や画像は一切なし。

    番組情報 

    NHK総合 2018/11/2 午前 7:45~午前8:00 
    おはよう関西▼学校行きづらいけど…演劇で自分探す~神戸

    神戸市の青少年会館で2週間に1回、演劇サークル「Teenagers free theatre(TFT)」の活動が行われています。メンバーは“ちょっと学校に行きにくい”18歳までの子どもたち15名。台本はすべてオリジナルのものを使用し、役やセリフは子どもたちと相談しながら作り上げます。自分が「なりたい役を演じることができる演劇」を通じて、社会とどう関わろうとしているか、リポートします。
    http://www4.nhk.or.jp/P2849/x/2018-11-02/21/42582/8244792/



    団体情報

    Teenagers Free! Theater (TFT)
    活動の目的

    不登校や、学校に行きにくい10代(10~18歳)のための演劇サークル。
    演劇活動を通じて、自信をつけ、コミュニケーション能力を高め、社会とかかわっていく積極性を育む活動です。
    支援するスタッフも、助けが必要な人がいることを知り、何をすればいいかを知り、それを社会の中で実践できる能力を養うことを目指します。
    https://www.tgkobe.org/GroupDetail.asp?id=1089


    NHKの上記の引用文中の団体名はどうやら誤記らしい。

    この短い番組に登場する、自分の気持ちを伝えることが苦手で、同級生と話がかみあわず、小学三年生から三年間不登校のタイガ君(13歳)の「なりたいキャラ」が「デデデ大王」なのだ。

    番組では、まず青少年会館で劇の練習をしている少年少女とそれを見守る大人達の様子が映された。そして、その中の一人であるタイガ君に焦点をあてていく。タイガ君がなぜ不登校になったのかをインタビューして、本人の口から語らせている。
    「自分のやったことに後悔っていうか、友達作りたかったのに、何でこういうことができなかったんだろうって、自分を責めてばっかりで」
    また、この演劇サークルの主催者である女性にインタビューして意図を聞いている。
    「このサークルでは、子供たちが“自分を肯定できるように”自分のなりたい役をする。なりたい役になることができるっていうのが、すごく楽しくてワクワク感もあります」
    「学校以外にも楽しいところがあることを、TFTは教えていると思います」
    代表の吉田みのりさんは、こう語っている。
    その後、タイガ君が仲間と協力して、お芝居を作っていく場面が映される。

    この番組は「物語の舞台の紹介→主人公が登場→主人公の仲間の紹介→主人公の暗い過去が語られる→援助者の登場→主人公と仲間が協力する」という、成長物語としての構成がきっちりとあって、「報道もまた物語」って認識した。有能だな、NHK神戸の放送作家! 普段は朝のニュース番組の物語構造なんて「ない」と思ってみてたんだが、「ある」んだな。今回は「いい話だなー」ということで拍手するが、すべてテレビで流される「事実」は選択され、再構成されたものだという警戒心を改めて持っておこう、という気持ちにもなった。
    勝手にキャラを使っていいのか、と思う人もいそうだが「無料の上演」は著作権法上の例外なので、アニメのキャラだろうがゲームのキャラだろうが演じることができる。やってみたい人は、カラオケボックスや青少年会館で「なりきり大会」を開くと楽しいかもしれない。
    小中学生を集めて、演劇したらめっちゃクロスオーバー作品になりそうっていうか、なってた。この番組でやってた劇は少なくとも「デデデ大王とブルゾンちえみが同じ世界にいる」というものだ。これをハリウッド映画でやってのけたのが『レディ・プレイヤーワン』だな。




    大王という肩書

    この番組中で「デデデ大王」がどこの誰かの説明は一切ない。画像もない。商品の宣伝になってしまうことをさけるためだろう。だから、『星のカービィ』や『スマッシュブラザーズ』という登場作品の名前もでない。有名キャラクターとはいえるだろうが、名前を聞いて顔と性格が思い出せる人は、このニュースの視聴者にそう多くはないだろう。
    でも、ひきこもりの子供が「お芝居の中で、王様になりたい」と言ったら、「わかる」よね。この番組の「デデデ大王」は観念的な「ゲームの中の王様」である。
    デデデ大王になるときのタイガ君の「いいねえ、デデデ大王様だ」というセリフと表情で、なんとなくだけど「えらそう」な感じはする。
    これが単に「デデデ」だったら、NHKもタイガ君本人に多少説明させたかも。とはいえ、名前を検索すれば、ウィキペディアも公式サイトも出る時代だ。きっと知らない大半の人は、人間の王様を想像しただろうな……。検索して🐧だと知ってえ? とか。
    最近スマブラでは「デデデ」と肩書なしで呼ばれているが、『星のカービィ』シリーズでの呼び名は相変わらず「デデデ大王」だ。アニメのスタッフロールでも「デデデ大王」が役名だった。自称だとしても、城に住んで、側近や部下を引き連れてる「大王」である。
    スマブラではピーチも「姫」がついてないから、「戦士(フィギュア)としての平等」なのかもしれないが、肩書つけていた方が、元作品での立場がわかりやすくていいんじゃなかろうか。
    なお、NHKは百人一首かるた大会を描いた作品の影響で、かるた大会に外国人の参加者が増えたというニュースの際も、アニメや原作マンガの絵を流しながら、(c)で著作権者名を表示するにとどまった。しかし、『ちはやふる』という作品名を、明示した方が出典を明らかにするという意味で「きちんとした報道」だったろう。



    番組中で語られたデデデ大王像

    タイガ君が自分の役の、変身前(虎)と変身後(デデデ大王)について、鉛筆で書いたキャラ設定の紙が映る。
    変身前は「サバンナの野生の虎」らしい。だから、虎の帽子をかぶっている。
    一瞬ケモナーさんかと思ったが、本名が「タイガ」なので「タイガー」なんだろう。
    デデデ大王については「ハンマーを振り回すだけが技だが、当たれば超強力」とか書いてあって、技は男子児童にとって重要なのだな、と思った。やはり「力強さ」は魅力だね。
    「デデデ大王 性格はそのまま」では、知ってる人にしかわからない……。ファンは自分の好きなキャラの性格を自分と他人が「正しく」理解しているとうっかり思いがちだよな。

    デデデ大王って? 子分をひきつれ、プププランドの住民をよくこまらせます。 星じるしの大きなハンマーがじまんのブキ!すいこみやはきだし. こう見えて、やさしいときもある。 その名も・・・. デデデ大王(自称)

    キャラクター紹介 デデデ大王 | 星のカービィポータル
    https://www.kirby.jp/character/dedede/


    公式サイトのキャラ紹介ではこうなっている。
    立場を簡単にいうと「強者だが敗者」だ。強者としてユーザーのあこがれでもあれば、敗者として共感できる存在でもある。
    語尾が「ぞい」じゃないし、ゲーム版だと思うんだが「ボスはカービィ(狂暴化)」と書いてあって、アニメっぽい。アニメ版『星のカービィ』第95話 「デビル・カービィ!」は途中までは「デデデ大王が狂暴化したカービィを止める」話だ。最近の小学生は動画サイトによく通っているので、生まれる前のアニメを知っていたりする。まあデデデは『星のカービィ スターアライズ』とかでも、狂暴化しているから、逆にヒーローになる話が見たいのもわかる。
    この番組は11月1日の『スマッシュブラザーズダイレクト』の翌朝に放送された。
    そう、スマブラスペシャルの「灯火の星」の「デデデを含むヒーローたちが悪堕ちして、カービィがそれを救う」というストーリーが話題沸騰した次の日。このニュースの素材映像の録画はもっと前だから、もちろん誰も意図していない。
    公式が描かない物語を演じたい、ある小学校に行かない小学生はそう思った。大人だといろいろと二次創作の手段があるけど、小学生にもそれが提供されるのは、いいことなのだろう。


    ↓前日に発表されたスマッシュブラザーズスペシャルの動画。デデデ大王もちょっと出る。



    まとめ

    英雄叙事詩が携帯端末の中のゲームで語られる時代になった。だが、『果てしない物語』のように、切実なる願いと悩みの受け皿という物語の役割は変わらない。
    だから、「ナード」といわれるようなファンが多い作品は、「人に求められている」作品なのかもしれない。孤独で劣等感の強い子供の「心の友」であることは、架空のキャラクターにとっては勲章ではなかろうか。

    ライトな消費者が増えればその分だけ、コミュニケーションや異性にまつわるコンプレックスを抱えたオタクの割合は少なくなってくる。また、駆け込み寺としてオタク界隈を選ばざるを得なかったような、苦悩する人達も少数派になってくる。そうなってくれば、こちらにも書いたように、もはやオタク界隈はコミュニケーション弱者の為の駆け込み寺としては機能しなくなる。
    2008-12-25
    若いライトオタクの流入と、中年オタクの難民化
    https://p-shirokuma.hatenadiary.com/entry/20081225/p1


    これは十年前のシロクマ(熊代亨)先生の予測である。「こぎれいで愛想のいいオタク」は確かにふえていくのだろう。
    「昔よりオタクの描く絵は全体的にうまくなった」という状況が「昔ならそこそこの人でも、今は下層扱い」を生む。それと同じで、人に好かれるのが上手なオタクが若いオタクに増えたら、相対評価で脱落してしまうオタクは、むしろ絶対数としては増えたりしないだろうか。そこで新たな「吹き溜まり」や「駆け込み寺」が生まれたりするのだろう。それはもはや旧来のファンコミュニティではないかもしれない。それはこのTFTのように背後に「専門家」が存在するような団体かもしれない。
    日本社会の動きとして「コミュニケーション弱者」や「コミュニケーション形態が少数派」を、支援の対象にしようとする動きは今後増えていくと思われる。
    このTeenagers Free! Theater (TFT)は、兵庫教育大学の経費支援を受けた、課外研究プロジェクトだそうだ。
    https://www.hyogo-vplaza.jp/c2/profile.html/uid/43925/
    ……いずれ、論文だかリポートだかに活動がまとめられて、「デデデ大王」ってそこにも書かれたりするのだろうか。
    不登校の子供に与えられるべき教育とは、「学校に行っている子供たちに遅れないように国算理社などを自宅学習」ではなく「友達と仲良くする技術と経験」なのかもしれない。

    ※ 番組では「タイガ君」は素顔で漢字の本名だったが、この記事では名前の音だけで記させていただいた。実在の未成年の本名を、年単位でブログに記載するのは気が引けるため。本人が成人したら、黒歴史にしたいかもしれないし。そもそもNHKはタイガ君に対して「小学生」という言い方をしていなかったような。この文章ではそう書いた個所もあるが、「不登校の13歳」で通すべきだったのだろうか。



    おまけ

    Q なんで事前に知るはずがないのに、朝のニュースを録画してるの?

    A 筆者は複数のチャンネルで流されるテレビ番組を、数日分自動で録画する機械を使用している。そこから選んで長期保存も可能。引用文などはそこから起こしている。
    これがあると、ニュースでいきなり推しの名前が耳に飛び込んできても対応できるのだ。ツイッターのTLを見て「ああ、あの番組を見ればよかった!」と思うことがよくある人にもおすすめだ。
    放送事故や災害時の報道などは、通常DVDになったりはしないものだから、リアルを保存するためにもこれを買うことにしたのだ。
    テレビアニメがDVDになるとは限らないこんな世の中で、アニメを録画しまくるのにも便利。そして、「撮ってから一度も見ていない」アニメがたまる。
     
    自分の↓


    現行品↓

    『ドラゴンボール』の中の英雄神話

    今回は『ドラゴンボール』の主人公である孫悟空の出生に関する物語が、どのように古来からの英雄神話と重なり、当時のヒット作の影響を受け、その上で独自性を見せているかを書く。


    少年漫画の中の英雄神話の多さ

    『ドラゴンボール』を読んだことのない僕が、先輩に反論するために全巻読了した結果2018.10.14
    https://liginc.co.jp/429028

    栄藤八氏のこの記事について、色々と意見があるようだが、このブログ記事では以下に引用する部分に絞って考える。

    物心がついた頃から親がおらず、生まれ持った才能を持つ主人公。そしてその才能の理由が、仲間想いの性格で……。そうです、これは英雄物語の黄金パターンなのです!
    (中略)
    このような主人公のキャラクター設定には、高貴な身分から落ちてしまったという悲劇、そしてその境遇に立ち向かい栄光を手にするというサクセスストーリー、といった読者の心を掴む要素があるのではないでしょうか。
    (中略)
    ストーリーに関しても、当時はまだ「黄金パターン」のキャラクター設定を採用している作品がそこまで多く世に出ているわけではなく、さらに作者の「いきあたりばったり」な書き方も相まって斬新な物語だと感じた読者が多かったのではないでしょうか。


    私が引っかかったのは「当時はまだ「黄金パターン」のキャラクター設定を採用している作品がそこまで多く世に出ているわけではなく」という部分だ。
    このような「実は主人公は訳あって捨てられた、特殊な力を持つ王子」のパターンは『ドラゴンボール DRAGON BALL』(1984)以前の古いマンガにもゴロゴロあった。統計データは示せないが、名作やヒット作の具体例は多く思い浮かぶ。

    例えば1952年連載開始の『鉄腕アトム』が「地位の高い父に捨てられた英雄」だ。しかもロボットという「人間以上の何か」である特別な存在だ。同じ手塚治虫先生の『どろろ』(1967)も、日本神話の蛭子の物語を元にして書かれた、英雄伝説の構造に忠実な作品で、父親に捨てられ、肉体の様々な部分を失って生まれてきた少年が主人公だ。
    DBと同じくジャンプの『荒野の少年イサム』(1971)は、侍の父とインディアンの母を持つが、親とはぐれてしまい、アメリカでならず者に育てられる天才ガンマン少年の漫画。
    捨てられてはいないが、『バビル二世』(1973)も、地球に不時着した宇宙人と人間の娘の子孫だ。
    少女漫画だが『紅い牙シリーズ』(1975)の主人公は、古代超人類の血を引く超能力少女で、生後5年にわたり狼に育てられている。

    1977年の映画『スター・ウォーズ エピソード4』の主人公は、伝説の戦士である実の父の血を受け継ぎ、親戚に育てられた天才戦士である。
    少年ジャンプ連載の『キン肉マン』(1979年)は、主人公はキン肉星の王子だったが、ブタと間違えて地球に捨てられた。みじめな暮らしをしていたが、友情パワーで王位を継承する。
    より詳しくはこちらをどうぞ。
    英雄の誕生 ―キン肉マン研究中…
    http://www.yuzuriha.sakura.ne.jp/~akikan/pain/um/6.html

    また、『ドラゴンボール』の孫悟空のサイヤ人としての生い立ちの描写には映画版の『スーパーマン』(1978)の影響がある。アメコミだが、スーパーマンの初出は1938年だ。『スーパーマン』は宇宙人が崩壊する自分の星から科学者が息子を小型ロケットに乗せ、地球へ発射する話だ。同じく鳥山明先生の『Dr.スランプ』(1980年)でもパロディされている。1970年代から1980年代の日本のアニメや漫画に対する『スーパーマン』や『スター・ウォーズ』の影響力はすごかった。特に鳥山明先生は絵柄の面でも、アメリカンポップカルチャーの風を感じる。
    同時代の作品としては少年ジャンプの『聖闘士星矢』(1986)がある。主人公が財閥の総帥である父親に、孤児として聖闘士の修行に出され、女神の戦士として活躍する話。
    『ジョジョの奇妙な冒険』(1987)は、連載開始時の主人公は幼少期からの孤児ではないが、実の父を知らず育った特別な才能を持つ主人公は、複数いる。

    結論として、1984年連載開始の『ドラゴンボール』より前にも、捨てられた王子の物語は名作やヒット作として存在し、それらの影響を受けた作品も多かった。
    長々と列挙することになったが、引用記事が「多くなかった」と、あいまいな書き方なので、あえてこうした。
    もちろん、昭和時代には英雄伝説の典型から外れる少年漫画の主人公も多い。『タイガーマスク』は孤児だが、実の父親は不明なままだ。同じ梶原一騎先生の『巨人の星』の主人公は父親が名選手だったが、孤児ではない。
    しかし、現在でも少年漫画の主人公の設定は「親に捨てられた天才王子」ばかりではない。今のところ『呪術廻戦』や『Dr.STONE』は違うだろう。
    だから、「『ドラゴンボール』の主人公の設定は、英雄伝説風」というのは、まあ正しくても、「(今に比べ)この当時は多くなかった」というのは、違うと私は考える。


    英雄神話のパターンとはどんなものか

    冒頭引用文の中の才能の理由が仲間想いの性格、というのが「英雄物語の黄金パターン」って、誰の影響を受けた考えなんだろう。「友情、努力、勝利」は少年ジャンプのコンセプトだから、DBの連載誌である、ジャンプの黄金パターンではなかろうか。
    「友情」は、大塚英志先生が『物語の体操』(2003)で抜き出した「英雄神話」の構造には含まれない。大塚先生は、オットー・ランクというフロイド派の研究者が、エディプス(オイディプス)からモーゼ、イエス、ヘラクレス、ジークフリートといった人物を主人公とする古今の英雄神話の共通の構造を、こう再構成した。

    a 英雄は、高位の両親、一般には王の血筋に連なる息子である。
    b 彼の誕生には困難が伴う。
    c 予言によって、父親が子供の誕生を恐れる。
    d 子供は、箱、かごなどに入れられて川に捨てられる。
    e 子供は、動物とか身分のいやしい人々に救われる。彼は、牝の動物かいやしい女によって養われる。
    f 大人になって、子供は貴い血筋の両親を見出す。この再会の方法は、物語によってかなり異なる。
    g 子供は、生みの父親に復讐する。
    h 子供は認知され、最高の栄誉を受ける。


    こういった英雄伝説の例をいくつかあげよう。イラン最大の民族叙事詩『王書』(シャー・ナーメ)に登場する英雄は、黒髪の両親から生まれた王子でありながら、生来の銀髪で、父に捨てられ、神の鳥に育てられた。『マハーバーラタ』に登場する英雄ビーシュマは女神ガンガーと王の息子であり、幼少期を王宮ではない所で過ごしている。また『ドラゴンボール』の元ネタである『西遊記』も孫悟空が異常な誕生をしているし、三蔵法師は訳あっての捨て子である。
    英雄物語がどうこうと書きながら、栄藤八氏は記事中でその具体例をあげていない。
    この構造に忠実な漫画作品は、『どろろ』や『キン肉マン』や『ドラゴンボール』あたり。正直なところ「英雄伝説を描くかどうかは、米国映画を愛するかどうか」みたいな感じがしなくもない。この前、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(2017)を見てきたが、相変わらず主人公の設定が英雄伝説で、これらマーベル映画の影響を受けた日本の漫画家が、英雄伝説風少年漫画を再生産するのだろう。

    若い世代が普段読まない古い作品を読むと、他を知らないから「昭和時代はこのパターンは、新しかったんだろう」とか思いがちだが、昭和でも古かったり、普通だったりする可能性がある。そういうことは他にも同時代や、さらにその前の時代の漫画を読まないと判断できないのだ。
    それに昭和の漫画だけを読んでもわからないこともある。映画や小説やニュースやアニメや特撮やスポーツと漫画は地続きだ。『キャプテン翼』の背景には「Jリーグすらなかった時代」があるが、若い世代には遠いだろう。

    むしろドラゴンボールは主人公が宇宙人という意味で、特別な血筋ではあっても王子ではなく庶民の出で、半分ぐらいひねってある。王子なのはライバルであるベジータの方だ。ひねりがあるということは、この時点ですでにありふれていたことのひとつの証ではなかろうか。
    もし、孫悟空がサイヤ人の王子だったら、ロムルスの神話などを知らない当時の一般読者に『キン肉マン』のパクリ、と非難されただろう。先行作品と被らないように配慮した結果、いきあたりばったりに見えてもいるのではなかろうか。
    それから、「王子ではない」孫悟空の英雄としての物語は「一族の仇」としてフリーザに復讐する方向へ流れた。孫悟空はフリーザに故郷の村ならぬ、星を焼かれているが、この「故郷の星の破壊」については、『スター・ウォーズ』(1977)が有名。
    その後、アニメ版『ドラゴンボールZ』の『たった一人の最終決戦』で、「父の敵討ち」という日本の伝統の物語とまぜられて、それが漫画版にも取り入れられている。
    「ただ一人、フリーザに抵抗したバーダック」という「反体制派の英雄」の造形は脚本の小山高生氏(1948年生まれ)の世代かもしれない。
    なお、西洋で「善良な実父の仇として、悪しき義理の父を殺す」物語で有名なのは、シェイクスピアの『ハムレット』(1600?)だろうな。



    つまらなくても古典は読むべきか

    私がドラゴンボールを読んだことがないということを知ると、先輩は「コンテンツ制作に携わる人間として、ドラゴンボールを読んだことがないなんてありえない!」と言ってきたのです。
    まあ、わからなくもありません。漫画コンテンツの大ヒット作品であるドラゴンボールを読んで勉強することは、確かに重要なことでしょう。
    しかし、20数年前に流行った漫画を読むことが現代のコンテンツ制作に果たしてどれほど役立つのでしょうか。

    『ドラゴンボール』を読んだことのない僕が、先輩に反論するために全巻読了した結果2018.10.14
    https://liginc.co.jp/429028


    先輩の主張自体は正論。そこは記事を書いた栄藤八氏もわかっているのだ。
    SNSで先輩側を批判する人も多かったのは、「勉強として読んだら、ムリに進められたら、名作漫画も楽しくないだろ」というのもあるだろう。しかし、教科書で読まされる名作文学と似たような扱いになるのが、「古典」扱いということでもある。
    手塚治虫先生は数千年前の仏教説話を元に、その当時の「現代のコンテンツ」である『火の鳥』を制作していた。具体的には欲が深くなる薬で星が滅ぶ話。元は酒を知らない村に商人によって、それが持ち込まれる話だ。
    例えば「学校で無理やり感想文を書かされたので『山月記』(1942)が嫌い」という話は、純粋な中島敦先生のファンには悲しいだろうが、合わない人にも一応教えるのが教育でもある。
    実際、この記事には「古典や名作の読書量が少ないが故の論の弱さ」がある。これが「昭和の漫画を大量に読んだ上での感想」なら、「突っ込むためのネットでの拡散」は減っただろうな。商業的には炎上もいいことかもしれんが。
    コンテンツを扱う仕事についている、目指すなら、たとえ興味がなくても数千年前の神話や百年前の古典や数十年前の名作、逆に最新作やヒット作は「勉強」として読む、見る。多くのプロがそう口にする。
    しかしそれはとてもお金と時間のかかることなので、「面倒くさい」や「追いきれない」という意見は当然あるだろう。
    自分が普段このブログで書いている文章も「この人、1980年代のサンライズアニメに詳しくないな」とかいう目で見られていそうだし、ある程度は仕方がないな。

    この文章が話題になった背景には古式ゆかしい「大人はわかってくれない」「最近の若い者は」というような、世代間の対立の他に、現代ならではの「楽しさ」と「コミュ力の重視」がある気がする。
    「不快なコミュニケーションを、なんでもかんでもハラスメント認定」みたいな風潮ね。
    読書量や見たアニメの量、見た映画の量、プレイしたゲームの量が少ないとマニアの話の輪に加われないという状況は、相対的に少なくなっていくのかもしれない。
    コンテンツが大量に作られすぎて「全体を把握している人」なんていなくなって、その場その日を楽しんでいこう、という時代。だからこそ、多くのオタクが「今日のTwitterの話題に乗り遅れまい」とこの記事に一言ものもうしまくったんじゃなかろうか。

    私はTLに「『ドラゴンボール』は読んでないけど、そうなのか」みたいな感想を記事に対してつぶやいていた人がいたこともあって、これを書いた。読んだこともないマンガなら、あいまいな感想でもなんとなく信じてしまう人もでる。

    自分は普段アニメ版『星のカービィ』について調べているのだが、2001年のアニメでありながら監督の吉川惣司氏が1947年生まれのために、戦前戦後のアニメや映画が元ネタのことが多くて泣けてくるよ。
    「別に元ネタは知らなくてもいいのでは」と思うかもしれない。楽しむ分には。だが、感想や批評や分析の方に踏み出すなら、知らないと自爆だ。